- m3.com 電子書籍
- 小児看護2025年11月号(48巻11号)重症心身障害児の「生きる」を支える
商品情報
内容
序文
特集にあたって
どんなに重い障害があっても,いのちが輝き,いのちが喜ぶ時間を「生きる」支援を目指して
医学の発展により救命できるいのちは増え,在宅人工呼吸器管理料が保険適用となってから30年以上が経過しました。その結果,さまざまな医療的ケアを必要とするこどもや,重い障害のあるこどもが退院し,自宅で暮らせるようになりました。現在では,家族をはじめ,医療・保健・福祉・教育など多職種による支援を受けながら生活しています。
皆さんは「生きる」とは,どのようなことだと考えますか。辞書では,「人間・動物などが,生命を持ち,活動できる状態にあること」とあり,反対語は「死ぬこと」とされています。重症心身障害児が「生きる」ためには,呼吸や循環,排泄や睡眠など体調の維持・安定が不可欠です。それらは質の高い医療処置や看護ケアによって保たれます。しかし,命があるだけでは十分とはいえません。本人や家族の生活の質(QOL)が守られ,本人の意思決定が尊重されることが重要です。
2021年には「医療的ケア児支援法」が成立し,医療的ケア児一人ひとりの心身の状況に応じた適切な支援を,切れ目なく受けられる体制づくりが始まりました。さらに,2024年度の障害福祉サービス等報酬改定では,児童発達支援等において5領域(「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」)を踏まえた総合的支援プログラムの立案と公表が義務化されました。また,事業継続計画(businesscontinuity plan;BCP)の策定も義務化され,こどもたちの命と生活の安全を守るための備えが求められています。災害対策としては,備蓄・研修・訓練などを通じ,重い障害があるこどもも共に助かる仕組みづくりが必要ですが,課題はまだ多く残されています。
本特集ではテーマを「重症心身障害児の『生きる』を支える」としました。「死」は「生きる」の反対ではなく,その延長線上にある最終地点ととらえます。どんなに重い障害があっても,いのちが輝き,いのちが喜ぶ時間を生きられるよう支援することが,私たちの役割です。そこで,重症心身障害児を支援されているさまざまな立場の方々に,平常時だけでなく準緊急時・緊急時の備えを含め,「生きる」をどのようにとらえ,どのように支援しているのかを紹介いただきます。さらに,アドバンス・ケア・プランニング(advance care planning;ACP)や,こどもが亡くなった際の周囲のこどもへのグリーフケア,そして親の立場からの思いもお伝えいただきます。
本特集が,「重症心身障害児の『生きる』を支援するとは何か」を,支援者全員で考え,実践するための一助となれば幸いです。
平山五月
目次
重症心身障害児の「生きる」を支える
編集:平山五月
【カラーグラフ】
いのちが喜ぶ“ こども時間”;クリニクラウンとMayMayの実践から 熊谷恵利子,他
【特集にあたって】
どんなに重い障害があっても,いのちが輝き,いのちが喜ぶ時間を「生きる」支援を目指して 平山五月
【鼎 談】
重症心身障害児の「生きる」を支える意思決定支援 平山五月,他
【平常時の支援】
①訪問看護師としての連携と実践;こどもを真ん中においたチームづくりの「つなぐ」役割とは 西田仁美
②訪問診療における重症心身障害児への支援と地域連携 土畠智幸
③特別支援学校における重症心身障害児への教育的支援 竹内成江
【準緊急時の支援】
①レスパイトにかかわる支援とその課題;大阪ショートステイ連絡協議会による調査からみえた現状 近藤正子
②重症心身障害児のホームレスパイトケア;地域で暮らし続けていくために 細田三奈
【非常時の支援】
①重症心身障害児の災害時の備え;デイサービス施設を中心として開催した避難訓練 笠間真紀,他
②特別支援学校における事業継続計画策定の重要性に関する考察;大阪府立藤井寺支援学校の事例より 湯井恵美子
③重症心身障害児が亡くなったときの周囲へのグリーフケア 市原真穂
【状態や状況に合わせた支援の基礎知識】
①重症心身障害児の「食べる」を支える 松野頌平,他
②重症心身障害児の排泄支援 仁宮真紀,他
③重症心身障害児の呼吸障害に対する支援 竹本 潔
④重症心身障害児・者における睡眠障害とその支援 福水道郎
⑤重症心身障害児におけるアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の実践と課題 余谷暢之
【関連論稿】
重症心身障害児を育てる親からみた「生きる」こと 畠山織恵
連載
心が歌えば,世界が揺れる
パンのみにて生きるにあらず
佐藤聡美
むかしといまを繋ぐ知恵;故事・ことわざ・名言をたずねて㊵
鬼に金棒;鬼が金棒を持てばより強くなるように,強い上にさらに勢いが増すことのたとえ
磯崎三喜年
あまの橋架け;病院にかかわるみんなのコミュニケーション㊱
「医療のかかり方」の現在の広がりについて
阿真京子
医law医lawな関係(149)
児童一時保護中のリハビリテーション提供義務と国家賠償責任
木村佳生
ひとりごとスケッチ(109)
大原美術館
土田菜摘
かれいどすこーぷ(153)
ウィ・アー・ザ・「スナック」
小鳥遊遊鳥
看護系絵本堂(153)
わたしの足は車いす
谷口あけみ
「論争中の病」を抱える青年を支えること;筋痛性脳脊髄炎/ 慢性疲労症候群をめぐって③
ニーズを諦めないですむ社会に向けて;筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群を患う人々の生活と支援の課題
野島那津子
エフェクチュエーションで人生をドライブ!;看護師が楽しむ未来のつくり方③
許容可能な損失の原則;「うまくいかなくてもOKを出せる範囲で動き出す」思考法
角田ますみ
便利機能
- 対応
- 一部対応
- 未対応
- 全文・
串刺検索 - 目次・
索引リンク - PCブラウザ閲覧
- メモ・付箋
- PubMed
リンク - 動画再生
- 音声再生
- 今日の治療薬リンク
- イヤーノートリンク
- 南山堂医学
大辞典
リンク
- 対応
- 一部対応
- 未対応
対応機種
iOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:20.3MB以上(インストール時:45.3MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:81.0MB以上
AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:20.3MB以上(インストール時:45.3MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:81.0MB以上
- コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
- コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
- Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
- Androidロゴは Google LLC の商標です。
書籍情報
- ISBN:9784012204811
- ページ数:128頁
- 書籍発行日:2025年11月
- 電子版発売日:2025年10月20日
- 判:AB判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
お客様の声
まだ投稿されていません
特記事項
※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。
※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍アプリが必要です。
※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。


