高血圧診療ステップアップ 改訂第2版

  • ページ数 : 356頁
  • 書籍発行日 : 2025年10月
  • 電子版発売日 : 2025年10月22日
¥6,600(税込)
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商品情報

内容

「高血圧管理・治療ガイドライン2025」に準拠した学会公認テキストの改訂第2版!

最新の診療指針やエビデンスを踏まえ,ガイドラインの“行間”を丁寧に解説した充実の内容.高血圧専門医や高血圧専門医を目指す医師の知識と実践力を高めるための必携書であり,高血圧診療にかかわるすべての医師にとって信頼できる新版ガイドブックです.

序文

高血圧診療ステップアップ―改訂第2 版―
序文

高血圧は,わが国において最も有病率の高い疾患のひとつであり,その患者数は4,300万人と推定されています.毎年,脳卒中,心不全,心筋梗塞,腎不全などの高血圧関連疾患によって,17 万人が命を失っています.その背景には,健診システムも整備され,安全で有効な降圧薬が開発され,高血圧診療ガイドラインによるエビデンスに基づく医療が提示されているにも関わらず,良好な降圧が達成されている血圧管理率は27%に留まり,国際的にも最低水準であるという深刻な現状hypertension paradox があります.世界に先駆けて未曾有の超高齢社会を迎えるわが国において,高血圧管理の改善は,健康長寿社会を実現するための喫緊の課題と思われます.

2025年8月に日本高血圧学会より「高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH2025)」が発表されました.和名には「管理」が,英文には「Elevated Blood Pressure」が新たに明記され,高血圧治療のみならず,高血圧予防と脳心血管イベント抑制のためにすべての国民の血圧管理を重視することが強調されました.JSH2025では,血圧管理・治療のためのシンプルかつ具体的な方策が示されています.最大のポイントは,従来のように有害事象の高リスク群にあらかじめ緩やかな降圧目標を設定するのではなく,年齢・病態・合併症にかかわらず全ての高血圧の降圧目標を130/80mmHg 未満と定めた点です.同時に,あらゆる患者において診察ごとに,併存疾患・病態の個別リスクやその時々の状態・病態を注意深く評価し,有害事象を避けつつ柔軟に対応し,降圧目標を達成することが強調されています.すなわち,目標達成のためのプロセスを重視する個別化治療へのパラダイムシフトが提唱されました.さらに,コントロール不良な高血圧・治療抵抗性高血圧に対する対策も重視されています.

本書「高血圧診療ステップアップ―改訂第2版―」は,JSH2019発表にあわせて刊行された「高血圧診療ステップアップ―高血圧治療ガイドラインを極める―」の改訂版です.高血圧専門医ならびに専門医を志す医師に限らず,JSH2025 を深掘りし,高血圧診療のステップアップを図りたい全ての医師に向けたテキストです.JSH2025 には盛り込めなかった病態生理やエビデンスについても詳述してあります.また,2025年から,高血圧学会認定高血圧専門医の受験資格が,実地医家を含め総合内科専門医や内科認定医を有する医師に広く開放されました.本書が,専門医を目指す契機となれば幸いです.そして,高血圧専門医,専門医をめざす医師の自己研鑽に加えて,幅広い医師の日常診療に役立てていただき,hypertension paradox の克服の一助となることを祈念しています.


2025年10月

特定非営利活動法人日本高血圧学会 理事長
苅尾七臣
特定非営利活動法人日本高血圧学会 専門医制度委員会 副委員長
高血圧診療ステップアップ作成委員会委員長
甲斐久史

目次

I.総論

A 高血圧の疫学

 1.高血圧と各種疾病との関連

 2.国民の血圧の現状と推移

 3.日本人の高血圧の発症要因

 4.ポピュレーションアプローチ

 5.社会全体での対策

B 血圧調節機序

 1.概論

 2.遺伝的要因

 3.環境要因

 4.RAA系

 5.交感神経系

 6.腎臓と食塩

 7.血管機序

 8.心臓

 9.免疫機序

 10.腸内マイクロバイオーム

II.血圧測定

A 血圧測定と臨床評価

 1.血圧測定

 2.高血圧の診断

 3.血圧変動性に基づく分類

B 脈拍の変動

 1.脈拍数の意義

 2.脈拍変動と自律神経

 3.圧反射弓障害

III.高血圧の診察

A 高血圧の診察

 1.診断の組み立て

 2.病歴聴取

 3.身体所見

IV.臨床検査

A 一般必須検査

 1.臨床検査はどこまで信頼できるか?

 2.尿,血液検査

 3.血液生化学検査

 4.心電図

 5.胸部X線

 6.眼底検査

B 特殊検査(1)―エコー・CT・MRI(心臓・腎臓・筋性動脈)

 1.頸部動脈エコー

 2.心エコー

 3.腎エコー

 4.四肢動脈エコー

 5.腹部CT・MRI

 6.頭部CT・MRI

C 特殊検査(2)―動脈硬化指標

 1.足関節上腕血圧比(ABI)

 2.脈波伝播速度(PWV)

 3.心臓足首血管指数(CAVI)

 4.脈波解析・中心血圧

 5.血流依存性血管拡張反応(flow-mediatedvasodilatation:FMD)

 6.介入と血管機能検査

 7.おわりに

D 内分泌検査

 1.各種ホルモン検査

 2.副腎静脈サンプリング(AVS)

E 核医学・造影・腎生検

 1.核医学検査

 2.造影検査

 3.腎生検

V.治療

A 管理および治療の基本方針

 1.治療の目的

 2.対象者

 3.病態評価とリスクの層別化

 4.初診時の高血圧管理計画

B 降圧目標と治療の基本

 1.降圧目標

 2.生活習慣の改善

 3.降圧薬治療

 4.共同意思決定の推進

C 高血圧治療における留意事項

 1.初期治療

 2.長期治療(継続治療)

 3.QOLへの配慮

 4.オンライン診療とデジタル技術の導入

 5.降圧療法の費用対効果

D 生活習慣の改善

 1.食塩制限(減塩)

 2.Na以外の栄養素と食事パターン

 3.適正体重の維持

 4.運動

 5.その他の生活習慣

 6.デジタル技術の活用

E 降圧薬治療の概論

 1.降圧薬選択の基本

 2.併用療法

F 降圧薬の特徴と薬理・副作用

 1.Ca拮抗薬

 2.ARB/ACE阻害薬

 3.利尿薬

 4.β遮断薬(含α・β遮断薬)

 5.ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬

 6.アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)

 7.その他の降圧薬

VI.高血圧性臓器障害の診断と高血圧治療

A 脳血管障害

 1.脳卒中超急性期・急性期

 2.慢性期

 3.無症候性脳血管障害

B 心疾患

 1.高血圧と心疾患

 2.心肥大

 3.冠動脈疾患

 4.心不全

 5.心房細動・不整脈

 6.弁膜症

C 腎疾患

 1.慢性腎臓病(CKD)と腎実質性高血圧

 2.糖尿病関連腎臓病(DKD)

 3.慢性維持透析

 4.急性腎不全,急性腎障害

D 血管疾患

 1.大動脈疾患

 2.末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)

E 認知機能障害

 1.高血圧に伴う認知障害リスク

 2.降圧治療による認知症の一次予防

 3.認知症合併高血圧患者の高血圧治療

VII.併存疾患を考慮した対応

A 代謝性疾患

 1.糖尿病

 2.肥満

 3.脂質異常症

 4.高尿酸血症・痛風

B 抗血栓薬服用患者

C 担がん患者

 1.がん治療関連高血圧

 2.がんサバイバーと晩期高血圧症

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書籍情報

  • ISBN:9784787882578
  • ページ数:356頁
  • 書籍発行日:2025年10月
  • 電子版発売日:2025年10月22日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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