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日常診療における成人発達障害の支援 10分間で何ができるか

  • ページ数 : 280頁
  • 書籍発行日 : 2020年3月
  • 電子版発売日 : 2025年11月6日
¥2,420(税込)
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商品情報

内容


経験豊富な臨床家が,有効な短時間診療のエッセンスを紹介する『10分間シリーズ』。第3弾は成人発達障害の診療と支援を取り上げ, 18名の専門家が臨床経験から導き出した様々な工夫を教えてくれる。日常診療で患者さんにどのような態度で接し,何に着目し,どのように支援していけばよいのか。信頼関係の築き方や生活上の困り事をあぶり出す問診法,診断名の告知の仕方などを詳述。成人発達障害の診断と支援の勘どころがよくわかる一冊。

序文

まえがき

日常診療の限られた時間の中で,症状の評価や処方の説明以外に,広い意味での精神療法的アプローチを実施することはできないだろうか。こうした問題意識に沿って出版されたのが,『日常診療における精神療法:10分間で何ができるか』(2016), および『うつ病診療における精神療法:10分間で何ができるか』(2018) であった(どちらも星和書店)。シリーズの3冊目となる本書では,「成人発達障害の支援」をテーマに取り上げた。

発達障害については既にさまざまな解説書があり,それらを繙けば専門外の精神科医も障害の特性を一応は理解することができる。けれども実際の診療場面では確信をもって診断をつけられないことも多く,また発達障害を念頭に置いて患者に接したとしても,コミュニケーションのずれが生じて医師の言葉がなかなか患者の心に届かぬうちに時間が過ぎていくという事態がしばしば起こる。そのような精神科医の一人として,編者も発達障害の人々との面接を軌道修正する必要があると感じてきた。日々の診療において彼ら/彼女らにどのような態度で接し,どのようなところに着目しながら会話を進めていけばよいだろうか。こうした問いを立て,発達障害を専門とする方々のさまざまな経験と工夫にその手がかりを見出し,読者と共有すること,それが本書を編んだ目的である。なお,発達障害の人々の困難を理解し,対話を通して心理・生活面の支援を行うことは広義の精神療法的アプローチと呼ぶこともできるが,障がいと共に生きることを援助するという本書の意図を明示するため,今回は書名にも「精神療法」ではなく「支援」という言葉を採用した。

一冊の本をどのように読み進めていくかは,もちろん読者の裁量に委ねられている。それを承知の上であえて編者として一言させていただくなら,本書を手にした方々には,なるべくなら座談会の部分から読み始めていただきたい。この座談会は,本田秀夫氏,吉川徹氏,米田衆介氏という発達障害の名だたる専門家に対し,筆者が専門外の精神科医を代弁して素朴な質問を投げかけていくという形で進行した。ご一読いただければ,成人発達障害,特に自閉スペクトラム症患者の診療の勘所―どこに着目して診断し,結果をどう伝えるか,生活上の困りごとにどう対処するか,どのように患者とのコミュニケーションを図ればよいかなど―が押さえられているため,一通りの整理がつくはずである。本田氏,吉川氏,米田氏には他の執筆者も推薦いただき,そのお陰で発達障害について造詣の深い18 名の方々に執筆をお引き受けいただくことができた。いわば共同編集者の役割も果たしていただいた3 氏には,この場を借りて改めて御礼申し上げたい。

執筆者の方々には,系統的,専門的なアプローチというより,ご自身の臨床経験から導かれた診療のコツを,なるべく具体的にお示しいただくようお願いした。幸い,寄せられた原稿はいずれも期待に違わず,日常診療に役立つ経験知を随所に見出すことができる。

本書によって,一般の精神科医やコメディカルの人々が発達障害の診療に抱く戸惑いや躊躇いを減ずることができたとしたら,これに勝る喜びはない。

出版に当たっては星和書店の石澤雄司氏,近藤達哉氏に多大な御助力をいただいたことを付記して,感謝の意を表しておきたい。


2020年1月

中村 敬

目次

第1章 座談会 日常診療における成人発達障害の支援

   中村 敬,本田秀夫,米田衆介,吉川 徹

Ⅰ.発達障害との関わり 

Ⅱ.発達障害の診断 

Ⅲ.診断名の告知 

Ⅳ.発達障害の人は生活上どのようなことで困っているのか 

Ⅴ.孤立に対する苦痛への対処 

Ⅵ.こだわり行動への対処 

Ⅶ.職場における問題への対処 

Ⅷ.具体的な助言は必要か 

Ⅸ.発達障害の診察におけるコミュニケーション技法 

Ⅹ.発達障害の人への投薬 

Ⅺ.専門家から一般臨床医に伝えたいこと 

第2章 生きづらさを軽減するための支援を工夫する

   青木省三

Ⅰ.はじめに 

Ⅱ.出会いの瞬間に際立つ 

Ⅲ.診察室と現実生活場面での乖離 

Ⅳ.再来では,診察のかたちを決める 

Ⅴ.確かな言葉のキャッチボールこそが,精神療法である 

Ⅵ.生活場面を具体的に尋ねると,「困る」ことが浮き上がってくる 

Ⅶ.好き,得意,仕事,趣味を尋ねる 

Ⅷ.メモ用紙やノートを利用する 

Ⅸ.行き帰りを尋ねる 

Ⅹ.オモテとウラ 

Ⅺ.社会の中の居場所を見つける 

Ⅻ.おわりに……反応性とみる 

第3章 成人期発達障害を診るコツと支援の在り方

   飯田順三

Ⅰ.はじめに 

Ⅱ.初診 

Ⅲ.再診 

Ⅳ.終結 

Ⅴ.終わりに 

第4章 大人の発達障害の支援:10分間で何ができるか−SPELLの理念に基づく自閉スペクトラム症の日常診療−

   内山登紀夫

Ⅰ.はじめに 

Ⅱ.基本方針 

Ⅲ.初診 

Ⅳ.なぜ10 分診療なのか 

第5章 共感性と注意の問題を補うためのマインドフルコミュニケーション−Loopingを中心に−

   粳間 剛

Ⅰ.はじめに 

Ⅱ.初診

Ⅲ.Looping の背景にある認知機能と共感性について

Ⅳ.再診①:コミュニケーション指導・就労支援としてのLooping 導入

Ⅴ.再診②:注意をコントロールするマインドフルネス訓練としてのLooping 導入

Ⅵ.おわりに 

第6章 成人の自閉スペクトラム症への支援・精神療法的な関わり

 大久保菜奈子

Ⅰ.はじめに 

Ⅱ.初診・初期対応(初診と2 回目の診察) 

Ⅲ.特性を伝えた後の診察(3 回目以降の診察) 

Ⅳ.終結 

Ⅴ.おわりに 

第7章 重ね着症候群の日常臨床における診断と援助

   衣笠隆幸

Ⅰ.はじめに 

Ⅱ.10 分間診察の一般的特徴 

Ⅲ.成人の発達障害の全般の特徴 

Ⅳ.仮診断が一応ついたとき 

Ⅴ.「重ね着症候群」の定義と診察 

第8章 成人ADHD患者の治療について

   姜 昌勲

Ⅰ.はじめに 

Ⅱ.成人ADHD 患者の診察パターン 

Ⅲ.ADHD と確定診断をされた患者の,診療フォローパターン 

Ⅳ.初診でやるべきこと,気をつけるポイントについて 

Ⅴ.再診での短時間精神療法を成功させるために必要なツール 

Ⅵ.インターネットを用いた補助ツール

Ⅶ.一度の診察で質問は多くても二つ 

Ⅷ.カルテの書き方 

Ⅸ.患者へのアドバイス 

Ⅹ.薬物療法について 

Ⅺ.まとめ:10 分間診療でできること 

第9章 成人発達障害者を理解するために−10分間の診療でできること,できないこと−

齋藤 治,齋藤順子

Ⅰ.はじめに:10 分間という診察時間 

Ⅱ.診察の流れ 

Ⅲ.結語:発達障害者を理解するということ 

第10章 成人の発達障害診療で気づいたこと・気をつけていること

   畠中雄平

Ⅰ.はじめに 

Ⅱ.発達障害の診察で特に心がけていること 

Ⅲ.初診 

Ⅳ.再診 

Ⅴ.その他に気をつけていること 

Ⅵ.終結 

第7章 重ね着症候群の日常臨床における診断と援助

   衣笠隆幸

Ⅰ.はじめに 

Ⅱ.10 分間診察の一般的特徴 

Ⅲ.成人の発達障害の全般の特徴 

Ⅳ.仮診断が一応ついたとき 

Ⅴ.「重ね着症候群」の定義と診察 

第8章 成人ADHD患者の治療について

   姜 昌勲

Ⅰ.はじめに 

Ⅱ.成人ADHD 患者の診察パターン 

Ⅲ.ADHD と確定診断をされた患者の,診療フォローパターン 

Ⅳ.初診でやるべきこと,気をつけるポイントについて 

Ⅴ.再診での短時間精神療法を成功させるために必要なツール 

Ⅵ.インターネットを用いた補助ツール

Ⅶ.一度の診察で質問は多くても二つ 

Ⅷ.カルテの書き方 

Ⅸ.患者へのアドバイス 

Ⅹ.薬物療法について 

Ⅺ.まとめ:10 分間診療でできること 

第9章 成人発達障害者を理解するために−10分間の診療でできること,できないこと−

   齋藤 治,齋藤順子

Ⅰ.はじめに:10 分間という診察時間 

Ⅱ.診察の流れ 

Ⅲ.結語:発達障害者を理解するということ 

第10章 成人の発達障害診療で気づいたこと・気をつけていること

   畠中雄平

Ⅰ.はじめに 

Ⅱ.発達障害の診察で特に心がけていること 

Ⅲ.初診 

Ⅳ.再診 

Ⅴ.その他に気をつけていること 

Ⅵ.終結 

第15章 日常診療における青年期〜成人期の高機能自閉スペクトラム症の非薬物介入

   山末英典

Ⅰ.はじめに 

Ⅱ.診断 

Ⅲ.併発症の評価 

Ⅳ.検査 

Ⅴ.説明 

Ⅵ.職場への説明 

Ⅶ.介入 

Ⅷ.社会資源の活用 

Ⅸ.おわりに 

第16章 働く成人発達障害者の支援

   横山太範

Ⅰ.背景 

Ⅱ.外来診療でできる働く成人発達障害者支援(初診時) 

Ⅲ.外来診療でできる働く成人発達障害者支援(再診時) 

Ⅳ.おわりに:成人発達障害とは何か 

第17章 自閉スペクトラム症成人患者の外来精神療法

   吉川 徹

Ⅰ.はじめに 

Ⅱ.初診 

Ⅲ.再診 

Ⅳ.ライフスタイルを支持する精神療法 

第18章 神経発達の生活臨床と外来面接

   米田衆介

Ⅰ.はじめに 

Ⅱ.情報処理障害と社会的能力 

Ⅲ.神経発達の生活臨床 

Ⅳ.神経発達の個人面接における態度の問題 


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書籍情報

  • ISBN:9784791110483
  • ページ数:280頁
  • 書籍発行日:2020年3月
  • 電子版発売日:2025年11月6日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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