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- マクウィニー 家庭医療学 上巻 第1版第2刷
商品情報
内容
●家庭医療専門医向けのスタンダードなテキストとして世界的にも名著の日本語訳。
●翻訳にあたっては、丁寧に選ばれた言葉を使って膨大な古今の人類の知恵と自らの深い考察を穏やかな語り口で伝えてくれるIanの人柄を大切にするため、本文は敢えて敬体(です・ます調)とした。
●日本では総合診療専門医という名称で呼ばれる分野の専門性の重要な部分が、この家庭医療学に凝集されている。
あわせて読む → マクウィニー家庭医療学 下巻
序文
日本語版序文
「自分の考えはどうしてもギリシャ・ローマ(Greco-Roman)の影響を除けない。リュウキの考えがインド・中国(Indo-China)に影響されているようにね」―時々、Ianはこう言ってほほ笑んだ。
1968年に英国からカナダへ移って、カナダの大学に最初の家庭医療学講座を開設したIan R. McWhinney先生は、2012年9月28日、ご家族に見守られながら安らかに息を引き取られた。85歳だった。数日後、英国スコットランドのグラスゴーにいた私のもとに彼の訃報が届いた。冷たい雨が降るホテルの部屋で、私は言葉を失った。しばらくして深い悲しみ、懐かしい思い出、そしてあつい感謝の気持ちが訪れ、それらの奔流に私は漂っていた。
グラスゴーにいたのは、英国家庭医学会(RCGP)の年次学術大会(Annual PrimaryCare Conference)のplenary speakerとして招待されて、大災害後の福島におけるプライマリ・ケアについて講演するためだった。世界の家庭医療の学会で最も伝統と実績のあるRCGPから学会創設60周年の節目にメインの講師として招待されることは、家庭医療を専門とする者(特に外国人の)にとって最大級の名誉であろう。でも、(親しみを込めてまたファースト・ネームで呼ぶことにするが)Ianの著書に出会い、そしてIan本人から直接薫陶を受けることがなければ、今日の私は存在しない。
彼と彼の著書から学んだお陰で、家庭医療がそれ自体で1つの独立した知識の体系を持つ専門分野であること、「患者中心の医療」がお題目や机上の空論ではなくて実践と研究に支えられた臨床医学の方法であること、そして、家庭医を目指すことが一生を賭ける価値のあるキャリアパスであることを理解し、自信を持って若い人たちに伝えることができた。教育の持つ力の大きさを身を持って感じている。
カナダの研修医になるための試験(MCCEE)を受けにバンクーバーへ行って、ブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)の書店でIanの著書『A Textbook of FamilyMedicine』の初版(1989)に出会った時の衝撃は今でも鮮明に覚えている。当時この本を読まずにカナダで家庭医療専門医になることは考えられないほどスタンダードなテキストであり世界的にも名著と評されていた本だったが、日本で目にしたことはなかった。
将来自分が目指そうとしている家庭医療が、こんなにも深い臨床医学の原理と実践からの知恵をしっかり基盤に持っていることに半ば圧倒される思いだった。
幸いにも、地域基盤型家庭医療研修プログラムで有名だったUBCのレジデントになることができ、さらに幸せなことに、シニアレジデントになった年に選択研修としてオンタリオ州ロンドンにあるウェスタン・オンタリオ大学(UWO)へ行ってIanのもとで家庭医療の原理について学ぶ機会を得た。今から20年前のことだ。毎日彼とマンツーマンで彼の著書を読んでディスカッションしながら過ごした1ヵ月は、間違いなく私の人生のハイライトの1つと言ってよい。―ここで冒頭の言葉に戻るのだが、Ianとの問答は知的刺激に満ちていて、なおかつ穏やかで優しかった。
本書の原書は、Ianの後継者であるUWO家庭医療学講座主任のThomas Freeman教授が共著者となって2009年に『Textbook of Family Medicine(第3版)』として出版された。Ianの死によって、これが彼の遺作になってしまったが、これからも家庭医療を学ぶ者に色褪せることない深い知恵と思索の源を与え続けるに違いない。
家庭医療後進国という事情と、Ianの洗練された言葉遣いを適切に日本語で伝えることにかなり時間がかかってしまったが、北海道家庭医療学センターの草場鉄周先生の協力も得てようやく日本語版が出版されることになった。IanとTom、私と草場君、それぞれ後継者との2世代にわたる仕事になった。Ianの深い考えを日本語で読んでもらえることは私たちの大いなる喜びだ。本書は原書第3版第1部の全訳であり、下巻もできるだけ早期の出版を目指している。
翻訳にあたっては、丁寧に選ばれた言葉を使って膨大な古今の人類の知恵と自らの深い考察を穏やかな語り口で伝えてくれるIanの人柄を大切にするため、本文は敢えて敬体(です・ます調)とした。彼の自宅の書斎には百科事典のような何冊ものOxford英語辞典があり、同じ意味でも異なった英語を使う時にはそこに彼の言葉へのこだわりがある。到底それには及ばないが、日本語でもできるだけ適切な別の言葉を探すことに努めた。本書で解説されるコンテクストやコミュニケーションなどの少数の例外を除き、曖昧なカナカナ日本語はできるだけ避けた。意訳ではなく、できるだけ正確に内容を訳出することに心がけた。そのため日本語としては十分こなれていないが、どうかご容赦頂きたい。気づいていない誤訳も含めすべて訳者の責任である。
家庭医療学の書籍の出版に日本の出版社がまったく興味を示してくれなかった時代から一貫して私の翻訳を励まし、ここまで牽引してくれたぱーそん書房の山本美恵子氏、そして高山静氏の勇気ある決断と高い見識に心から感謝している。ありがとうございます。
日本では総合診療専門医という名称で呼ばれる分野の専門性の重要な部分が、この家庭医療学に凝集されている。日本に住む多くの人たちが質の高いプライマリ・ケアを利用できるために、本書の内容を深く理解して実践する総合診療専門医が多数輩出することを祈っている。
2013年5月残雪の峰々に桜が映える早春の福島にて
葛西龍樹
目次
第1部 基本原理
1.家庭医療学の起源
2.家庭医療学の原理
3.地域における病気
4.家庭医療のプロフィール
5.家庭医療学の哲学および科学的基盤
6.病気、苦しみ、癒し
7.医師−患者のコミュニケーション
8.医療の方法
9.健康増進と疾病予防
10.健康と疾患における家族
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書籍情報
- ISBN:9784911601075
- ページ数:344頁
- 書籍発行日:2025年10月
- 電子版発売日:2025年11月18日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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