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- マクウィニー家庭医療学 下巻
商品情報
内容
●上巻で述べられた家庭医療学の基本原理が、実際の診療の中で、そして教育の現況の中で、どのように適用され展開されていくのかについて述べられている。
●通読することで、読者それぞれのコンテクストで利用できるアイデアやヒントになるだろう。
あわせて読む → マクウィニー 家庭医療学 上巻 第1版第2刷
序文
日本語版(下巻) 序文
本書は、Ian R. McWhinney教授と彼の後継者であるウェスタン・オンタリオ大学(UWO)家庭医療学講座主任のThomas Freeman教授が共著者となって2009年に出版された原書『Textbook of Family Medicine(第3版)』の第2部、第3部、第4部の全訳である。2013年に出版された『マクウィニー家庭医療学(上巻)』(原書第1部の全訳)と合わせてこの原書すべての日本語版が完成した。彼の著作が日本語で広く読まれることは、1992年から彼の薫陶を受け、彼の勧めで日本での家庭医療学の発展を願ってきた訳者にとって大きな喜びである。
この下巻は、上巻(原書の第1部)で詳しく述べられた家庭医療学の基本原理が、臨床の問題、実際の診療と実践、そして教育と研究で実際どのように適用・展開されるのかについて書かれている。これらの記述が膨大な参考文献をもとに、エビデンスを吟味する臨床的な視点と病気を持つ人に寄り添う人間的な視点とをバランス良く調和させながら、その過程で私たちが考えていかなくてはならない多くの課題も挙げながら、思慮深く書き進められている。通読することで読者それぞれのコンテクストで利用できるアイデアが必ず見つかるはずである。
私がこの翻訳を終えて校正を進めている時期に一致して、一般社団法人日本専門医機構では、『「総合診療専門医に関する委員会」からの報告』を2015年4月20日に公開し、そこには『総合診療専門医 専門研修カリキュラム(案)』も掲載されている(http://www.japan-senmon-i.jp/document/150421.pdf)。
「総合診療専門医に関する委員会」には私も委員として参画している。本書の翻訳を一部手伝ってくれた草場鉄周先生もオブザーバーとして参加している。今までの議論の過程で、私たちが1996年から一医療法人の事業として着手した家庭医養成の取り組みが、その基本となる価値観を正しく継承しながら日本全国で使われる専門研修カリキュラム案に反映され、日本の実情に合わせて進化してきていることに満足している。最終版のカリキュラムまでにはまだ多少の改訂はあるとは言え、日本では「総合診療専門医」と呼ばれることになったプライマリ・ケアの専門医をどのように養成したら良いかを多くの具体的な言葉で説明しているので、それを専門にしない人たちにも「総合診療専門医」がかなりイメージしやすくなったと思う。
それとは対照的に、カナダで私が家庭医療のレジデント(日本では「専攻医」と呼ばれる後期研修医)として研修していた1990年代、カナダ家庭医学会認定研修プログラムのカリキュラムには4つのゴールが示されているだけだった。「家庭医は優れた臨床医である」、「家庭医療は地域を基盤とした専門分野である」、「家庭医は定義された診療対象にとっての資源である」、そして「患者-医師関係が家庭医の役割の中心である」。これだけである。でも、その後でよく指導医たちは「もちろんIan McWhinneyの本は読んでるよね」と付け加えたものだ。優れた臨床医とは何か、地域を基盤とするとはどういうことか、どうやって資源を活用できるか、患者-医師関係の何が問題か。こうしたことにレジデントたちは悩み自分で考えながら、そして同僚や指導医に問いかけながら研修したものである。その時にIanの本は大きな助けだった。それぞれの答えが研修する地域の実情によって違ってくることも、家庭医療学に本質的なこととして理解することができた。与えられるのを待っている、あるいはマニュアル化された研修とは対極にある、こうした教育もあるのだ。
日本の総合診療専門医の専門研修カリキュラムはもっと多くの言葉で書かれているとは言え、日本では他の18の基本領域とは異なった種類の新しい専門分野であるので、専攻医のみならず指導医にも初めて出会う言葉やアプローチが少なくないだろう。医療における「パラダイムの転換」が必要な所以である。
そうした今までの日本の医療にないテーマ(「患者中心の医療」などはその最たるものだろう)に遭遇した時に、既存の枠組みや手軽にメディアで流れている情報を答えとして満足するのではなく、是非この『マクウィニー家庭医療学』を読んで、しっかりとした基盤から自分のコンテクストに合わせてそのテーマを深く考えてもらいたい。本書には、医療の歴史の中でそのテーマがどのように扱われてきたか、そしてそれらがこれからどのように変化していくのかを考えるヒントが詰まっているはずだ。それを知らずに進むのは、何よりも医療の利用者にとって危険なことになる。本書1章の冒頭に書かれているように「医学に起こっている深刻な変化は、歴史的な目からみて初めてよく理解できます」というメッセージを理解してほしい。
下巻についても、ぱーそん書房の髙山静氏、山本美惠子氏、近野さくら氏には大変お世話になった。上巻から一貫して私たちの翻訳を励まし、出版まで牽引して下さったことに心から感謝している。ありがとうございました。
『マクウィニー家庭医療学』が、総合診療専門医の養成に関係するすべての人たち、そしてそれを支える人たちすべてに深く読み込まれ、それぞれの場で活用され、彼らを継続して勇気づける資源になることを願い続けたい。
2015年5月新緑のグラデーションに包まれる薫風の福島にて
葛西龍樹
目次
第2部
11.急性咽頭痛
12.頭痛
13.疲労
14.高血圧
15.糖尿病
第3部 家庭医療学の実践
16.在宅ケア
17.診療録
18.コンサルテーションと紹介
19.保健専門職
20.地域サービス・ネットワーク
21.代替または補完医療
22.診療管理
第4部 教育と研究
23.継続自己学習
24.家庭医療の研究
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書籍情報
- ISBN:9784911601082
- ページ数:266頁
- 書籍発行日:2015年6月
- 電子版発売日:2025年11月18日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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