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救急医学2026年9月号(50巻9号)救急医の,救急医による,救急医のための医療安全

  • ページ数 : 132頁
  • 書籍発行日 : 2026年9月
  • 電子版発売日 : 2026年9月10日
¥3,190(税込)
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商品情報

内容

救急医の,救急医による,救急医のための医療安全

時間・情報が限られるなかで意思決定や緊急処置を求められる救急医療でこそ、医療安全の重要性は際立つ。救急医療という特殊環境に根ざした課題・疑問に向き合い、現場で実装可能な「医療安全の実践知」を掲示する。


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序文

救急医の,救急医による,救急医のための医療安全


救急医療は,その時代の社会構造や価値観をもっとも鋭敏に反映する領域である。近年,働き方改革の進展,高齢化の急速な進行,疾病構造の変化などにより,医療を取り巻く環境は大きく変貌している。こうした社会的変動は,救急医療の現場にも直接影響を及ぼし,われわれは常にその渦中で診療を行っている。一方で,救急医療の本質は変わらない。限られた時間と不十分な情報のなかで意思決定を行い,高い不確実性とリスクを伴う環境下で医療を提供しなければならない,という現実である。この特徴こそが,救急医療における「医療安全」の重要性をいっそう際立たせている。

振り返れば,われわれが医師となった1990年代,医療現場には体系化されたマニュアルやシミュレーション教育は乏しく,「先輩の経験と勘」が規範として共有されていた。また,「専門家は誤らない」という暗黙の前提のもと,個人の能力に依存した医療が広く行われていた時代でもあった。しかし,2000年前後に相次いだ医療事故報道を契機として,医療の質と安全に対する社会的関心は急速に高まり,「医療安全」は医療提供体制の中核的概念として位置づけられるに至った。その後,制度の整備や教育体制の構築が進められてきたものの,救急医療に特化した医療安全の体系化はいまだ十分とはいえない。本誌「救急医学」においても「医療安全」を主題とした特集は2009年6月号に一度組まれたのみであり,救急医療の視点からこのテーマを包括的に論じる機会は限られてきた。

そこで本特集では,あえて「救急医の,救急医による,救急医のための医療安全」と題して企画した。一般論としての医療安全ではなく,救急医療という特殊な環境に根ざした課題を再定義し,現場に実装可能な知として提示することを目指すこととした。

本特集が,日常診療のなかで生じる疑問に対し実践へとつながる契機となることを期待したい。そして何より,医療安全を「自ら構築しつづける実践知」としてとらえなおす一助となれば幸いである。


 特集企画エディター
岐阜大学医学部附属病院医療安全管理室
熊田 恵介
横浜市立大学附属市民総合医療センター医療の質・安全管理部
中村 京太

目次

特集 救急医の,救急医による,救急医のための医療安全

Ⅰ.医療安全の基盤と理念

医療機関に求められる医療安全管理体制の基本

横浜市立大学附属市民総合医療センター医療の質・安全管理部 中村 京太

日本の医療安全に関する施策─2026年度の変更点をおさえる

名古屋大学医学部附属病院患者安全推進部 栗原 健

医療安全に関する基礎的概念・アプローチ─レジリエンス・エンジニアリング理論とSafety-Ⅰ/Safety-Ⅱ

千葉大学医学部附属病院医療安全管理部 滝沢 牧子

救急医療におけるインフォームド・コンセント

岐阜大学医学部附属病院医療安全管理室 熊田 恵介

Ⅱ.救急診療における医療安全の実践

「診断」とは何か?

日本大学医学部救急医学系救急集中治療医学分野 櫻井 淳

患者情報や検査結果の共有・伝達

聖路加国際病院救急科・救命救急センター 磯川 修太郎

医療安全を高める救急診療のチーム医療─ノンテクニカルスキルとブリーフィング・デブリーフィングの実践

大阪公立大学大学院医学研究科救急医学 日村 帆志他

タスクシフト・タスクシェアの活用

埼玉医科大学総合医療センター医療安全管理学 中島 勧

病院前医療における医療安全─「見えないもの」を可視化し,「知らないもの」を共有する

順天堂大学医学部附属静岡病院救急診療科 大森 一彦

Ⅲ.救急医が貢献する医療安全活動

院内急変対応―RRSと患者安全における救急医の役割

千葉大学医学部附属病院救急科・集中治療部 富田 啓介

M & Mカンファレンス

横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センター 古郡 慎太郎

医療安全につながる院内教育

金沢大学医薬保健研究域医学系救急・災害医学分野 岡島 正樹

病院前救護における医療安全―メディカルコントロールと多様化する救急医療の担い手

順天堂大学医学部附属練馬病院救急・集中治療科 杉田 学

Ⅳ.医療安全にかかわる紛争・トラブル対応

刑事医療訴訟の現在地─最新の判例から学ぶ

浜松医科大学医学部医学科総合人間科学講座法学 大磯 義一郎

医療コンフリクト・マネジメントと医療メディエーション

上尾中央総合病院情報管理部 長島 久他

院内暴力の防止対策と対処

横浜市立みなと赤十字病院救命救急センター 武居 哲洋

連載

時をかける救急教授

第21回 警察の一部でも消防の一部でもない,「救急業務」という名の戦後孤児

山口大学大学院医学系研究科救急医学 鶴田 良介

出張版Dr.’s Prime Academia

第40回 COPD診療の最前線 知っておきたいリスク病態─COPDにつながるPRISm

医療法人H & L会 千里中央内科 庄司 浩気

Acute Care Nutrition ─代謝栄養の世界へようこそ!

第20回 糖尿病性ケトアシドーシス 糖は入れるべきか,入れざるべきか~糖 be or not糖 be, that is the question~

国立病院機構大阪医療センター救命救急センター 小島 将裕他

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書籍情報

  • ISBN:9784012005009
  • ページ数:132頁
  • 書籍発行日:2026年9月
  • 電子版発売日:2026年9月10日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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