みんなの腹膜透析—ゼロからわかる実践ガイド

  • ページ数 : 276頁
  • 書籍発行日 : 2025年12月
  • 電子版発売日 : 2025年12月4日
¥3,960(税込)
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商品情報

内容

患者さんに渡せる腹膜透析マニュアル(26ページ)のダウンロード資料付き!

透析になったら血液透析…でも腹膜透析も選択肢に入れてほしい…そんな思いから,「We❤PD」を謳う井上病院のPDチームが作りました.
好評だった「新CAPDセルフケア」を改題,内容をアップデート・ボリュームアップし,遠隔患者モニタリングや腹膜透析離脱などもしっかり解説しました.腹膜透析導入から維持期の管理,合併症対応からトラブルシューティングまで,現場で即使える超実践的な1冊です.

序文

はじめに

井上病院では1980年代初頭に,私の恩師である田畑 勉先生が腹膜透析(PD)を開始されました.当時はPDについてまだまだ不明な点も多く,手探りでの診療であったと推察されます.そのような状況のなかで多くの症例を経験され,1997年には医療者や患者さんにもわかりやすくPDを解説した『CAPDセルフケア』(編集:田畑 勉,診断と治療社)が刊行されました.私自身は1996年に井上病院に赴任し,田畑先生のご指導を受けながら,この本を参考にして実践的な知識を学びました.一方で,被囊性腹膜硬化症の患者さんも多く経験し,PD治療の限界を強く感じた時期もありました.しかしその後,低グルコース分解産物(低GDP)中性化透析液やイコデキストリン透析液の登場,SMAP 法によるPD導入など数々の治療の進歩によって,PDの可能性が再び広がっていくのを実感しました.2004年には『新CAPDセルフケア』として改題・改訂され,2010年にはさらに改訂第2版も刊行されました.

それから月日が流れ透析患者さんの高齢化が進み,わが国の透析療法は大きな転換期を迎えています.かつては,比較的若い患者さん向けと考えられていたPDも,近年では「体にやさしい透析法」とされ,高齢患者に適した療法として再評価されつつあります.これに対応する形で,アシステッドPDの推進,訪問看護によるPD患者のケア,遠隔モニタリング技術の活用,さらには腹膜透析認定指導臨床工学技士制度の開始など,新たな取り組みが広がっています.診療報酬上でも,PDに関連する評価が行われるようになりました.

治療の道標としては,国際腹膜透析学会(ISPD)のガイドラインに加え,2019年には日本透析医学会から『腹膜透析ガイドライン2019』が発表され,私自身も日常診療に大いに活用しています.そのようななか,かつての『CAPDセルフケア』のように,PD治療初心者でも取り組みやすい入門書があればよいのにと感じていました.そこで,当院で培った経験をまとめ,本書の企画に至りました.現在のPD診療は医師や看護師だけでなく,多職種によるチームで取り組むことが不可欠です.本書もまた,当院のPD診療にかかわる多くの職種に,専門分野についての執筆を担当してもらいました.皆それぞれが熱い思いを込めて執筆してくれましたが,それをまとめるにあたり,診断と治療社の編集担当者の福島さんには多大なお力添えをいただきました.

PD,血液透析(HD)のいずれにも優れた点がありますが,わが国においてPD患者は依然として少数派です.今後,PDが腎代替療法の1つの選択肢として,より選びやすくなるように,日本の透析医療が変化・発展していくことが望まれます.本書がその一助となれば幸いです.


2025年10月

社会医療法人愛仁会 井上病院 院長
辻本吉広

目次

Ⅰ まずはキホン!腹膜透析とは?

1 腎臓のしくみと働き

2 慢性腎臓病とは?

3 腎代替療法選択

4 腹膜透析とは?

5 腹膜透析の原理・処方

6 適正透析とは?

7 腹膜機能

Ⅱ 腹膜透析の実際part.1導入

1 腹膜透析導入

2 カテーテル留置

3 システムの種類と特徴

4 バッグ交換

5 出口部ケア

6 シャワー浴・入浴

7 退院の準備

Ⅲ 腹膜透析の実際part.2維持期

1 維持期の管理

2 遠隔患者モニタリング(remort patient monitoring)

3 食事療法

4 運動療法(腎臓リハビリテーション)

5 薬物療法

6 検査

7 旅行・出張

8 腹膜透析離脱を検討すべきとき

Ⅳ 高齢者の腹膜透析

1 高齢者の腹膜透析

2 訪問看護

Ⅴ 合併症・トラブル対応

1 腹膜透析特有の合併症

2 慢性腎不全~透析患者全般の合併症

3 トラブルシューティング

Ⅵ さらに知っておくべき項目

1 医療・福祉制度

2 災害対策


索引

付録―これから腹膜透析をはじめる患者さんへ

はじめに

1 腹膜透析導入の流れ

2 腹膜透析に必要な環境と物品

3 バッグ交換のしかた

4 出口部ケアのしかた

5 シャワー浴・入浴のしかたと注意点

6 自宅で腹膜透析をはじめるにあたって

7 食事で気をつけること

8 日常生活での自己管理

9 トラブル時の対応ガイド

知っておきたい!Column

01 保存的腎臓療法(CKM)

02 ティーチバックという工夫

03 残存腎機能の維持

04 ブドウ糖分解産物(GDP)からみた生体適合性

05 three-pore theory

06 タイダールPD

07 SONG-PD

08 腹膜透過性Highだけではない除水不全

09 リンパ管からの吸収による除水不全

10 井上病院で行っているPD導入時の残存腎機能に応じた1日の透析量(x)の求め方

11 フィルムドレッシング材の当て方

12 腹膜透析診察時のひと工夫―フットケア

13 GLIM(Global Leadership Initiative on Malnutrition)基準

14 健康食パターン

15 ドライウエイトの評価方法

16 高齢者に合わせたPD指導(井上病院PD室看護師の考え)

17 腹膜炎以外の排液異常―乳び排液と好酸球性腹膜炎

18 肉芽

19 カテーテル造影

20 α修復術

21 CKD関連心血管疾患とCKD関連骨粗鬆症

22 指輪っかテスト

23 疲労

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書籍情報

  • ISBN:9784787882653
  • ページ数:276頁
  • 書籍発行日:2025年12月
  • 電子版発売日:2025年12月4日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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