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- 横隔膜大全
商品情報
内容
横隔膜疾患は、頻度の高い食道裂孔ヘルニアや胃食道逆流症から、稀少な横隔膜ヘルニア、eventration、外傷、腫瘍まで幅広く存在します。『横隔膜大全』は、こうした疾患を発生学・解剖学・病態・手術の観点から体系的に整理した、外科医必携の専門書です。
本書は、消化器外科医、呼吸器外科医、小児外科医を中心とする外科医に向け、曖昧だった疾患名や分類を整理し、用語の統一と横隔膜疾患の統合再定義を提示しています。これにより、従来不明確であった診断や手術判断の整理が可能となり、手術頻度の低い難治性疾患にも対応できる構成です。内容は先天性横隔膜異常、成人ヘルニア、食道裂孔部、外傷性横隔膜損傷、腫瘍、多孔性横隔膜症候群まで網羅。豊富な図版と詳細な解説により、外科医が手術や診療の現場で参照しやすい設計になっています。特に食道裂孔部では、横隔食道筋膜や血管・神経・リンパ系など層に基づく理解を支援し、剥離・修復操作の精度向上に直結します。
横隔膜疾患を包括的に整理し、発生学から臨床治療まで一冊で学べる本書は、外科医が現場での判断や手技を支える新たなスタンダードとなる一冊です。
序文
序
横隔膜疾患は,大きく言って頻度の高いものと,極端に少ないものに分けられる。前者は,食道裂孔ヘルニアであり,胃食道逆流症である。後者は横隔膜のヘルニアであり,Eventration である。外傷と腫瘍も後者に入る。外科医は,前者に対して治療に加わることは少なく,ほとんどは内科的に治療される。後者は,もちろん外科的疾患であるが,その稀少性のため最良の治療方法を採用してもらえるかどうかは,患者がかかった外科医にかかっている。この状況を改善するためには,忙しい外科医が手に取ってすぐに,最良の治療法が見つけられる書物が必要であると著者は考えた。
「なぜ,そんな手術をしたのだ」と問うてみたい症例を多くみた。「Occasional surgeryは仕方ないじゃないか」との言葉をずいぶん昔から聞いた。「仕方ない」とは何だろうと思ったことを現在まで引きずっている。この「仕方ない」をなくしたいと考えて外科医を続けてきた。それでもまだまだ外科学は,「仕方ない」で施行されている手術が多くある。こういった経緯で,数冊の外科医へ向けた著書を世に問うた。いまだに,答えは聞こえてこない。
今回,この横隔膜のすべてを扱った本を出版したいとの意向を,当時へるす出版の編集担当であった岡田雅子さんが受け止めてくださった。ありがとうございました。そして,2012年の著書から,長年にわたりイラストを作成してくださっていた青木出版工房の青木 勉さんには,有り難いという以上の感慨をもっている。最後に,いつも笑顔で私の頑固な生き方に寄り添ってくれている妻 千津子に感謝の言葉を贈る。
本著で,消化器外科医が関係する「ヘルニア」に関する著作を完成したと考えている。『ヘルニア手術のエッセンス』(医学書院,2014年)で腹部のヘルニアを簡潔にまとめ,『レジデントのためのヘルニア手術』(医学書院,2020年)で鼠径部の解剖はほぼ完成した。『腹腔内内ヘルニア大全』(中外医学社,2021年)の発生学,解剖学は印象深かった。そして,最後は本著である。
元東京医科歯科大学解剖学教授 佐藤達夫先生と故癌研究会病院外科部長 高橋 孝先生の訳書『臨床解剖学ノート腹部編(Ⅰ)』(中央洋書,1980年)から始まった私の「筋膜解剖」の旅も,本著の食道裂孔部発生・解剖で幕(膜)を閉じた。それにつけても,「頭側は完成したが,尾側は?」の質問に,『腹腔鏡下大腸癌手術』(医学書院,2012年)での直腸の筋膜構成で完成していることを忘れたくない。高橋 孝先生の理論です。
2025年9月27日 誕生日に,暑く長い夏の終わりを感じながら。
三毛 牧夫
目次
第1章 横隔膜―総論―
Ⅰ 胸部の発生学
Ⅱ 外科解剖学
Ⅲ 横隔膜の生理と機能
第2章 横隔膜―各論―
Ⅰ 先天性横隔膜異常―総論―
Ⅱ 先天性横隔膜異常―各論―
Ⅲ 先天性横隔膜ヘルニアの新しい考え方
Ⅳ 先天性横隔膜ヘルニア―各論―
Ⅴ 食道―総論―
Ⅵ 食道疾患−各論―
Ⅶ 横隔膜機能障害
Ⅷ 外傷性横隔膜損傷
Ⅸ 横隔膜腫瘍
Ⅹ その他の疾患
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書籍情報
- ISBN:9784867191231
- ページ数:352頁
- 書籍発行日:2025年11月
- 電子版発売日:2025年12月3日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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