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精神科治療学 第39巻増刊号〈特集〉症状性・器質性精神障害診療ガイド―精神症状を引き起こす身体疾患、物質・医薬品―(2024年版)

  • ページ数 : 312頁
  • 書籍発行日 : 2024年10月
  • 電子版発売日 : 2025年12月11日
¥6,600(税込)
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商品情報

内容

様々な身体疾患や物質・医薬品による精神症状への対応をアップデート。
近年、いわゆる症状性・器質性精神障害の原因となる疾患や病態の解明が進み、治療法についても多くの知見が集積されてきた。また、抗NMDA受容体脳炎など、新たに注目すべき疾患も現れている。本増刊号は、それらの新しい知見を網羅した治療ガイドとして辞書的に活用できる。臨床現場にあると心強い一冊。

序文

発刊にあたり


本誌が2006年に出版した「症状性(器質性)精神障害の治療ガイドライン」(21巻増刊号)は,狭義の症状性・器質性精神障害のみならず,広く物質・医薬品による中毒性精神障害を含み,いわゆる外因性精神疾患の全範囲を網羅した辞書的なレファレンスブックを目指して編纂された。当時としては最も充実した症状性・器質性精神障害の診療ガイドとして好評を得た。

この2006年版の発刊から,20年弱の年月が経った。この間に症状性・器質性精神障害は脳画像研究,認知科学,神経心理学,分子生物学,薬理遺伝学など,さまざまな切り口で検討され,病態・診断・治療法に関するさまざまな知見が数多く集積された。なかには原疾患の治療法の進歩に伴ってほとんど姿を消したもの(例えば,HIV脳症)もあれば,新規の病態として認知されるようになったもの(例えば,抗NMDA受容体抗体脳炎)もある。このような状況を鑑み,本誌編集委員会で2006年版のアップデートが企画された。

読者からそれを望む声をいただいたことにも後押しされ,このたび,改訂版の発刊にこぎつけることができた。もっと早く出すべきではなかったかとのお叱りの声が聞こえてくるようだ。

今回の改訂版では,2006年版が目指した「症状性・器質性精神障害を広く網羅した辞書的なレファレンスブック」の体裁を維持し,辞書的に使用しやすいように,構成の基本骨格は2006年版を踏襲した。具体的には,各疾患を基本的には見開き2ページ(一部の重要な疾患は4ページ)にまとめ,形式も一定の構造化を行い,頻度,性差,好発年齢,症状(原疾患と精神症状それぞれについて),予後,治療,主要な鑑別対象となる精神疾患に加えて,さらに詳しく知りたい人のための参考文献を挙げた。

一方,今回の改訂版は単に2006年版のアップデートに留まらず,いくつかの事項について検討が必要であった。1つ目は「用語」の問題である。DSM-Ⅳ(1994年)以降,DSMでは「器質性(organic)」という用語が廃止されたことは周知の事実である。これは,統合失調症や気分障害などの精神疾患においても生物学的な要因やプロセスの解明が進み,「器質性」の概念が見直されたことによる。ICD-11(2019年)でも同様の措置が取られたことで,2つの国際的な操作的診断体系から「器質性」の用語が姿を消した。しかしながら,わが国の精神医療においては,今日もなお,伝統的診断体系の「器質性」概念は脈々と受け継がれ,日常診療や卒前・卒後教育においても広く用いられている。このため,今回の改訂版でも「器質性」の用語を残し,タイトルも「症状性・器質性精神障害診療ガイド-精神症状を引き起こす身体疾患,物質・医薬品-(2024年版)」とした。

2つ目は「分類」の問題,つまりどこまでを症状性・器質性精神障害に含めるかという問題である。これは「器質性」概念の歴史的な変遷に関連している。2006年版では考えられうる最広義の器質性精神障害(中毒性を含む外因性精神疾患と同義)が採用され,幅広い病態が包含された。これは「症状性・器質性精神障害を広く網羅した辞書的なレファレンスブック」を目指すというポリシーに基づいたものであることは言うまでもない。今回の改訂版では若干の修正を行い,例えば,周産期精神障害(産褥期精神病),睡眠障害などはDSM/ICD分類の流れなどを考慮してリストから外した。一方で,関連する新たな知見を紹介すべく,従来は器質性精神障害に分類されず「併存(comorbid)」とみなされてきた精神障害のうち,その病態メカニズムに原疾患の関与が明らかになってきたもの(例えば,糖尿病に併存するうつ病)についてはコラムとして取り上げた。

3つ目は取り上げる疾患の「数」の問題である。2006年版では,頻度の低い疾患でもできる限り掲載するというポリシーで編纂された。今回の改訂版でも,このポリシーを維持したが,例えば,希少疾患を含めて膨大な疾患数を有する先天性代謝異常症では,精神症状を呈しうるものをすべて網羅することは紙面の都合上,不可能であり,代表的なものだけを取り上げた。

今回はこれをもって改訂版とするが,上記の課題は次の第3版の改訂時の検討事項としたい。ぜひ読者からのご批判を頂戴したいところである。


西村 勝治
担当編集委員

目次

発刊にあたり  西村勝治

本増刊号をご利用の際のお願い  

第1章 全身性疾患

1. 代謝・内分泌疾患  

1)甲状腺機能亢進症  安田 学

2)甲状腺機能低下症  松永晶子・米田 誠

3)副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)溝口義人

4)副腎皮質機能低下症(アジソン病)松林 直

5)偽性アルドステロン症  保田和哉・武田龍一郎・池田龍二 他

6)褐色細胞腫  森本雄高・横谷謙次

7)副甲状腺機能亢進症  鵜飼克行

8)副甲状腺機能低下症(偽性副甲状腺機能低下症,ファール病を含む)山田直輝・沼田周助

9)先端巨大症  高木潤子

10)尿崩症  町田貴胤・町田知美

11)下垂体機能低下症  菅原裕子

12)糖尿病性昏睡  盛田幸司・横谷謙次

<コラム>糖尿病に伴ううつ病  吉村玲児

13)ウィルソン病  永山 寛

2. 膠原病・膠原病類縁疾患  

1)全身性エリテマトーデス  西村勝治

2)その他の膠原病  佐伯吉規・米田 誠

3)神経ベーチェット病/神経スウィート病  宮崎峻弘・新井哲明

4)神経サルコイドーシス  黒田 宙

3. 心不全  赤穂理絵

 <コラム>心筋梗塞とうつ病  和田 健

4. 肝不全(肝性脳症)木村宏之

5. 腎不全(尿毒症性脳症)大橋綾子

6. 慢性呼吸不全(肺性脳症を含む)武藤仁志

7.ビタミン欠乏症

1)チアミン(ビタミンB1)欠乏症(ウェルニッケ・コルサコフ脳症)大西秀樹

2)ナイアシン(ニコチン酸)欠乏症(ペラグラ)木戸瑞江・石川一朗・中村 祐

3)ビタミンB12欠乏症  上田 諭

4)葉酸欠乏症  勝村恭子・袖長光知穂・古茶大樹

第2章 中枢神経系疾患

1. 感染性疾患  

1)単純ヘルペスウイルス脳炎  寺田整司

2)急性ウイルス脳炎およびインフルエンザ脳症の診断と治療  荒井 悠・根本隆洋

3)細菌性髄膜炎  森田昭彦・飛永雅信

4)進行性多巣性白質脳症  雪竹基弘

5)HIV関連神経認知障害  赤穂理絵

6)プリオン病  山田正仁

7)神経梅毒  吉村有希・大石 智・稲田 健

8)寄生虫感染症  久枝 一

9)COVID-19脳症  小川朝生

2. 頭部外傷  

1)頭部外傷による高次脳機能障害,精神症状  舘野 周

2)高齢者の頭部外傷(慢性硬膜下血腫)今村 徹

3)小児の頭部外傷  栗原まな

4)減圧障害  合志清隆

5)軽度外傷性脳損傷(mild traumatic brain injury : mTBI)先崎 章

3. 脳血管障害  

1)脳卒中による高次脳機能障害, 精神症状  新藤直子

2)一過性脳虚血発作  永金義成

3)高血圧性脳症(RPLS/PRESを含む)作田健一・井口保之

4)一過性全健忘  大野英樹

5)トルソー症候群(がん関連脳卒中)野川 茂

6)血管性認知症  森 悦朗

 <コラム>血管性うつ病  山下英尚

4. 変性疾患  

1)アルツハイマー病  橋本 衛

2)前頭側頭型認知症・前頭側頭葉変性症  品川俊一郎

<コラム>認知症基本法と認知症診療  粟田主一

3)レビー小体病  池田 学

4)進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症  西尾慶之

5)ハンチントン病・神経有棘赤血球症  上野修一

5. 免疫性神経疾患  

1)脱髄疾患  

①  多発性硬化症  金沢徹文・西田圭一郎

②  急性散在性脳脊髄炎  水野昌宣

2)脱髄以外の免疫介在脳炎・脳症  

①  抗NMDA受容体脳炎  中嶋秀人・原  誠

②  その他の自己免疫性脳炎  大西尚哉・西田圭一郎

3)傍腫瘍性神経症候群(paraneoplastic neurological syndromes : PNS)池田俊一郎

4)溶連菌感染症関連小児自己免疫性神経精神疾患(PANDAS)/シデナム舞踏病  中野和歌子・堀  輝

6. 脳腫瘍  西谷 涼・奥澤 惇・戸田裕之

7. 髄液動態異常  

1)特発性正常圧水頭症  樫林哲雄・數井裕光

2)脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)篠永正道

8. てんかん  

1)発作間欠期精神病炎  谷口 豪

2)発作後精神病  増本政也・本岡大道・安元眞吾

3)交代性精神病  原 広一郎・岩佐博人

4)てんかん外科手術後の精神症状  西田拓司

5)抗てんかん発作薬による精神症状  藤岡真生

6)発作間欠期不快気分症(てんかん不機嫌症)岩田朋大

<コラム>てんかん性格  原 恵子

7)非けいれん性てんかん重積状態  岩城弘隆

8)精神症状として現れるてんかん発作  長谷川直哉

9)一過性てんかん性健忘  上原 平

第3章 先天異常

1. 先天性代謝異常  

1)フェニルケトン尿症および類縁疾患  本田秀夫

2)ライソゾーム病  赤木優月・岡田 俊

3)ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損症(レッシュ・ナイハン症候群)  岩佐泰靖・吉川 徹

4)ミトコンドリア病  笠毛 渓・中村雅之

2. 染色体異常  

1)クラインフェルター症候群  浦丸知子・桑原 斉

2)ターナー症候群  五十嵐瑞穂・田中裕之・金生由紀子

3)ダウン症候群  野邑健二

4)22q11.2欠失症候群  笠井清登・熊倉陽介・小川知子 他

5)レット症候群

その他のX連鎖精神遅滞症候群  江口幸子・篠山大明

6)アンジェルマン症候群  長沢 崇

7)プラダー・ウィリ症候群  吉田友莉子・齊間草平・尾形広行 他

8)ウィリアムズ症候群  木村 亮

9)結節性硬化症  兼本浩祐

第4章 物質・医薬品

1.依存性物質  

1)アルコール  遠山朋海

2)覚せい剤  成瀬暢也

3)鎮咳薬・総合感冒薬  沖田恭治

4)Methylphenidate  槙野絵里子

5)大麻  松本俊彦

6)オピオイド類  山口重樹

7)コカイン関連障害  橋本 望

8)LSD,phencyclidine,その他幻覚剤など(psilocybinなど)松本俊彦

9)MDMAほか危険ドラッグ  谷渕由布子

10)鎮静薬,睡眠薬または抗不安薬による奇異反応  宇佐美貴士・松本俊彦

11)バルビツール酸  小松﨑智恵

12)ニコチン(喫煙)による薬剤性精神障害  宮田久嗣

2. 毒物  

1)有機水銀中毒  津田敏秀

2)一酸化炭素中毒  西川圭太・山本賢司

3)有機リン  磯川修太郎・大谷典生

4)PCB(ポリ塩化ビフェニル)中毒  赤羽目翔悟

3. 医薬品  

1)副腎皮質ステロイド  西村勝治

2)インターフェロン製剤  大坪天平

3)抗パーキンソン病薬  稲川拓磨・野田隆政

4)抗コリン薬  兼田康宏

5)抗ヒスタミン薬  小田陽彦

6)抗がん剤(免疫チェックポイント阻害薬を含む)大西秀樹

7)循環器用薬  成田 尚

8)鎮痛薬(非ステロイド系消炎鎮痛剤)和田 健

9)性ホルモン関連薬(主に経口避妊薬,黄体ホルモン製剤,抗エストロゲン薬,GnRHアナログに関して)小川真里子

10)抗結核薬  下清水博明・篠原麻理子

11)ヒト免疫不全ウイルス治療薬  福田倫明

12)禁煙補助薬  川合厚子

13)アルコール依存症治療薬  常岡俊昭

14)抗てんかん薬  氏原匡樹・渡邊さつき

15)炭酸リチウム(lithium carbonate)寺尾 岳

16)抗うつ薬・抗精神病薬  高橋 愛・加藤正樹・舩槻紀也

鑑別診断のために―精神症候群からみた主な原因(医学的疾患、物質・医薬品)―  西村勝治

事項索引

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書籍情報

  • ISBN:9784022003913
  • ページ数:312頁
  • 書籍発行日:2024年10月
  • 電子版発売日:2025年12月11日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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