肛門基本術式の実際 -痔核・痔瘻・裂肛-

  • ページ数 : 204頁
  • 書籍発行日 : 2014年4月
  • 電子版発売日 : 2026年3月13日
¥10,450(税込)
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商品情報

内容

肛門手術においては、新しい治療法、術式が次々と登場して注目を浴びるが、まずマスターすべきは基本術式である。
本書では、痔核の結紮切除術、痔瘻の切開開放術、裂肛のLSIS・SSGを取り上げ、筆者の経験から得た術式への工夫やこだわりを、豊富なイラストで徹底的に解説する。これから肛門手術に携わるビギナーだけでなく、改めて自らの手技を確認したい人にも、本書を大いに活用していただきたい。

序文

序文

肛門手術は,アッペ,ヘモ,ヘルニアと総称されるように外科の初歩的な手術のひとつとされている。

しかし,日々の排便にかかわり微妙な知覚の場である肛門の手術は,ともすれば術後に痛みを伴いがちであり,かつ難治創や肛門狭窄などのさまざまな合併症を生じ,術前よりさらに患者を苦しめる結果となりかねない,ある意味,厄介な手術と言える。

また,肛門手術は単に病変を切除すればよいというのではなく,機能温存,形成面の配慮までもが必要となる。病変の程度,括約筋の強弱,肛門の深さなど,ひとつとして同じ肛門はないため,症例ごとに微妙な加減が必要となる。

そして,肛門手術は術式自体が極めて単純であるため,その手術に際しては,独自の工夫,按配が大きな要素を占める。実際,同じ術式で手術をしても,術者が異なれば,その出来上がりや患者の満足度は大きく異なってしまう。

学会においては,新しい術式,治療法が次々と登場し,注目されがちであるが,新たに肛門手術にかかわる外科医にとって,まずマスターすべきは基本術式であって,然るのちに新しい術式,治療法を試みるべきである。

本書は基本術式として,痔核では結紮切除術,痔瘻では切開開放術,裂肛ではLSISとSSGを取り上げ,筆者の今までの経験から得た術式への工夫,こだわり,ノウハウを,肛門手術に対する考え方も含めて実践的に記述するよう心がけた。

これから新たに肛門手術にかかわる外科医や,改めて自らの手技を確認したい人にとって,肛門手術の基本を習得するのに少しでも役立てば幸いである。


2014年3月

岩垂純一

目次

肛門手術の基本・考え方

I肛門部の解剖

II肛門部と、その手術の特異性

III臀部の絆創膏の牽引

IV−1肛門手術創

IV−2なだらかな手術創を

IV−3良好なドレナ−ジ創の作成

V肛門手術を目指す若い先生方へ

第1章 痔核の手術 LE

I痔核手術における必要最小限の知識

1.痔核病変とは

 1)痔核は余分なクッション

 2)内痔核と外痔核、肛門管内外痔核と肛門管外外痔核

 3)主痔核と副痔核

 4)粘膜性痔核と血管性痔核

2.痔核手術の考え方

 1)痔核手術は肛門手術の基本

 2)必要最小限の手術を心がける

 3)丁寧な手術を

 4)全体的な調和を

3.基本術式は結紮切除術の半閉鎖術式

 1)半閉鎖術式を行う

 2)開創器を使用せず、肛門管外での手術操作に慣れる

 3)根部血管の結紮を前もって行わない

II結紮切除半閉鎖術式の実際

1.手術の前にすること

 1)指診による狭窄の有無の確認

 2)有柄肛門鏡での診察

2.一つの主痔核切除操作

 1)皮膚切開の前に行うボスミン加生食水の注射

 2)皮膚ドレナ−ジ創の作成

 3)肛門上皮部の操作:外痔核への操作

 4)歯状線を越えての操作:内痔核への操作

 5)根部結紮

 6)粘膜下の痔核切除と止血

 7)肛門縁までの半閉鎖

 8)痔核切除

3.他の主痔核の手術操作

 1)ひとつの痔核切除が終了するごとに視診にてチェックを

 2)前方の痔核に注意

 3)切除するのは3カ所が理想

 4)隣り合わせた痔核の処理に注意

4.副痔核の切除

 1)副痔核か、内痔核単独か、外痔核単独か、内外痔核かによって処理法を変える

 2)副痔核への痔核粘膜下切除を主とした結紮切除術

5.創の点検:ドレナ−ジが十分か、牽引するテ−プを完全に緩めてから確認を

6.終了

IIIこんな時、どうするか

1.痔核が大きすぎ全周にわたるようだ

2.痔核が残存してしまった

 1)創と創の間に存在する場合

 2)切除創に隣接して存在する場合

3.切除後に狭窄がある

 1)手術により生じた狭窄

 2)術前より存在する狭窄

4.出血が止まらない

 1)半閉鎖した部位の下からの出血

 2)根部結紮した部位や、それより奥の粘膜下に血腫を形成してしまった

 3)どうしても止血が困難な場合

5.裂肛、痔瘻の合併病変を伴う

 1)切除すべき痔核に痔瘻が合併している場合

 2)切除すべき痔核に裂肛が合併している場合

第2章 痔瘻の手術

I痔瘻手術に必要な知識

1.痔瘻を構成するもの:痔瘻は入り口がある膿の管

2.痔瘻の種類

3.痔瘻を治すに必要な条件:原発口、原発巣の除去

4.手術に必要な痔瘻の診断

 1)二次口からの触診

 2)示指による指診

 3)示指と拇指による双指診

II痔瘻手術の考え方:基本は切開開放術

III痔瘻の術式の実際

1.低位筋間痔瘻の手術:切開開放術

 1)術式の実際

 2)肛門後方に位置する痔瘻:補助切開を加えてドレナ−ジ創を作成する方法

 3)肛門前方、側方に位置する痔瘻:創縮小術

2.高位筋間痔瘻の手術

 1)術式の実際

3.坐骨直腸窩痔瘻の手術

 1)術式の実際

4.骨盤直腸窩痔瘻

第3章 裂肛の手術 LSIS、SSG

I裂肛手術に必要な知識、裂肛病変とは

1.裂肛とは

2.裂肛の種類

3.裂肛の急性期と慢性期

 1)急性期

 2)慢性期

II裂肛の手術方法

1.術式

 1)LSIS;lateral subcutaneous internal sphincterotomy

 2)SSG;sliding skin graft

IIILSIS

1.メス挿入部位の決定

2.開創器の挿入

3.浸潤麻酔

4.メスの挿入

 1)どの部位から

 2)どの高さまでメスを入れるか

5.内括約筋の解剖

6.内括約筋の切開

7.合併病変の処理

IV SSG

1.開創器の挿入

2.潰瘍周辺の切除:周りのポリ−プやskin tagの処理

3.括約筋切開

 1)どの位置で括約筋切開するか

 2)どこまで、どの深さで括約筋切開するか

4.粘膜皮膚縫合

 1)縫い代はどの程度にするか

 2)縫合に使用する糸

 3)縫合は何カ所にするのが理想か

 4)縫合の際の注意事項

5.皮膚弁移動の仕方

 1)皮膚弁作成の位置

 2)減張切開の深さ

 3)どのように減張切開するか

 4)皮膚弁移動後の皮膚欠損部位のドレナ−ジが重要

6.最後の処置

 1)肛門後方のSSGで十分な拡張が得られない場合

 2)皮膚弁左右の内外痔核の存在

 3)肛門前方に内外痔核が存在する場合

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書籍情報

  • ISBN:9784307203272
  • ページ数:204頁
  • 書籍発行日:2014年4月
  • 電子版発売日:2026年3月13日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
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