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- 診断と治療 2026年 Vol.114 No.6【特集】どうみる? 多疾患併存 マルチモビディティへのアプローチ
商品情報
内容
複数の疾患と薬を抱える患者を前に,
何を優先し,何を見送るのか―.
判断に迷う場面は少なくありません.
本特集では,マルチモビディティを複雑性と捉え
診療の現場で実際に直面する課題に即し,
評価のしかたや優先順位づけ,
意思決定の共有,薬剤調整といった
具体的なアプローチを提示します.
序文
ねらい
現代の医療現場において,複数の疾患をあわせもつマルチモビディティ(多疾患併存)は,もはや例外的な病態ではなく,日常診療の中核に位置する課題となっている.多くの医療従事者が実感しているように,このような患者に対して,個々の疾患別ガイドラインを機械的に積み重ねるだけでは,必ずしも望ましい転帰には結びつかない.狭義の医学的介入のみでは応じきれない局面が少なくなく,患者の生活背景や価値観をふまえた総合的な視座が,強く求められている.臨床の現場では,迷いと逡巡を抱えつつ,最適解を模索する営みが続いているのではないだろうか.
マルチモビディティに対して,現時点で決定的な方法論は存在しない.むしろ,その本質は,画一的なアプローチが原理的に成り立たない点にあるといえよう.だからこそ,個別の問題に拙速に対処するのではなく,一歩退いて全体像を俯瞰する視点が重要となる.5Msアプローチや頻出する疾患パターンは,複雑に絡み合う病態を整理し,その構造を読み解くための有力な手がかりとなる.その過程において,心不全,慢性疼痛,糖尿病,あるいはポリファーマシーといった,全体を複雑化させている介入の鍵が浮かび上がり,診療の見通しが開けることも少なくない.
介入の成否を最終的に左右するのは,患者の個別性にいかに向き合うかという点にほかならない.そのためには,多職種の視点を結集しつつ,患者自身の価値観や人生の文脈をていねいに汲み取り,医療者と患者とがともに納得し得る落としどころを創り上げていく姿勢が求められる.
一筋縄では捉えきれないマルチモビディティという課題に対し,本特集では多面的な視点からアプローチを提示した.本号が,混沌とした臨床の只中にあって,より見通しのよい診療を実践するための,確かな指針の一助となれば幸いである.
関西医科大学総合診療医学講座(地域医療学)
石丸裕康
目次
ねらい 石丸裕康
マルチモビディティの全体像をつかむ
マルチモビディティとは何か ―定義,注目される背景― 大浦 誠
マルチモビディティをどう評価するか① よくみられる疾患クラスター・パターン 官澤洋平
マルチモビディティをどう評価するか② 老年医学的アプローチとしてのGeriatric 5Ms 山本浩一
マルチモビディティにどう対応するか
マルチモビディティに対する介入 中野弘康
マルチモビディティを「複雑性」と捉えて対処する 宮田靖志
診療ガイドラインとマルチモビディティ 沖中郁実,南郷栄秀
臓器横断的にみるマルチモビディティ診療
内分泌・代謝疾患からみるマルチモビディティ 水谷 肇,三澤美和
心血管疾患からみるマルチモビディティ 小野雅敬
呼吸器疾患からみるマルチモビディティ 江原 淳
精神疾患を抱える患者のマルチモビディティを考える ―アルコール依存症の症例から― 池本正平
痛み・運動器系疾患とマルチモビディティ 水野泰行
マルチモビディティ診療における多職種連携・制度・研究
多職種連携の取り組み 星 利佳
ポリファーマシーと薬剤適正化 北 和也
ポリドクターへの対応 安藤崇之
地域医療とマルチモビディティ 木島朋子
マルチモビディティ研究の現状と展望 青木拓也
臨床例
内科の健康診断時に眼科専門医が遠隔に診断を行い,手術加療を行った帯状角膜変性症の1例 小池和成,清水映輔,西村裕樹,戸澤小春,横岩良太,中山慎太郎,戸田郁子
連載
何だろ? ちょっとエコーに聞いてみる?
C19-9高値の原因は? 畠 二郎
弁護士が答えます! 法律相談クリニック
終末期患者からの財産寄付 太田善大
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書籍情報
- ISBN:9784015011406
- ページ数:134頁
- 書籍発行日:2026年6月
- 電子版発売日:2026年6月4日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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