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- ミッドラインカテーテルの管理と看護;“特定行為看護師”の実践に学ぶ
商品情報
内容
「静脈路の確保方法に迷う」「末梢血管への穿刺が難しい」「もう穿刺を繰り返したくない…」
患者への末梢静脈点滴、静脈留置カテーテルの挿入に悩む・困る場面に、静脈路と治療の新しい選択肢として登場した「ミッドラインカテーテル」。患者の負担軽減、ベッドサイドでの挿入可能、輸血・ 採血・造影CT検査に対応などの利便性や患者へのメリットに加え、「点滴ルートが取れなくて困った…」「点滴業務の人員的・時間的・心理的負担が大きい…」といった臨床の悩みの解消にもつながる“看護師にもやさしい”静脈アクセスデバイスとして、注目度が高まっています。
本書は、「特定行為に係る看護師の研修」を修了した著者が、“特定行為看護師”として実践しているミッドラインカテーテルの管理と看護を、著者の経験と知見に基づきまとめました。
看護師が知りたい基礎知識から、アセスメント、手技、病棟での対応、患者のケアまでを具体的に解説した実践書として、ミッドラインカテーテルをまだ知らない人にも、導入に興味がある人にも、これから導入を検討しているリーダーや管理者にも、それぞれの立場でお役立てていただける一冊です。
序文
はじめに
「点滴が入らない…」。これは臨床の看護師にとって,想像以上に深刻で,時に孤独な闘いです。末梢静脈路の確保が困難な患者さんを前に,痛みに耐える患者さんへの申し訳なさと,治療を遅らせるわけにはいかないという焦燥感のなか,何人もの看護師が入れ替わり点滴確保にトライする場面を目にしたことがあるでしょう。私たちは「点滴が入らなければ治療が始まらない」「それが患者さんの命に直結する」と知っているからこそ,必死になって穿刺を試みます。しかし,繰り返しの穿刺は患者さんに多大な身体的・精神的苦痛を与えるだけでなく,看護師にとっても精神的・時間的なプレッシャーとなります。やっとの思いで確保したルートに点滴漏れや静脈炎などのトラブルが早期に発生したり,どうしても末梢からの確保ができず,侵襲や感染リスクの高い中心静脈カテーテル(central venous catheter;CVC)の挿入を余儀なくされるケースを,多くの看護師が経験しているはずです。
筆者も,臨床現場で長年,この末梢静脈路の確保of課題と向き合ってきました。転機となったのは,2023年3月に「特定行為に係る看護師の研修」を修了したことです。「栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連」の特定行為区分を修了し,PICC(peripheral inserted central venous catheter;末梢挿入型中心静脈カテーテル)挿入の技術を身につけました。これで救える患者さんが増えると確信していた矢先,苦い経験をします。ベッドサイドで急変した患者さんに対し,エコーを使用して末梢点滴を確保できたものの,わずか1日ほどで点滴漏れを起こしてしまったのです。一体何が悪かったのか。急変を脱したとはいえ,血管カテーテル室へ移動しPICCを挿入するのは患者さんの病状的に困難です。「何かほかに,患者さんにとっても,私たち医療者にとってもベストな選択肢はないのだろうか」。そう葛藤し,模索するなかで出会ったのが,「ミッドラインカテーテル」でした。
ミッドラインカテーテルは,末梢静脈から挿入し,先端を腋窩静脈付近に中~長期的に留置できる末梢静脈カテーテルです。CVCやPICCのような中心静脈に達するカテーテルではないため,さまざまな合併症リスクの低減につながり,PIVC(peripheral intravenouscatheter;末梢静脈カテーテル)よりも長期間の留置が可能となります。まさに「患者さんにも,医療者にもやさしいカテーテル」だと考えています。
本書は,ミッドラインカテーテルを,一人でも多くの医療者に知ってもらいたいという一心で執筆しました。ミッドラインカテーテルをまだ知らない方,名前は聞いたことがあるものの見たことはない方,導入に少し興味がある方,あるいはすでに使っているけれどさらに知識を深めたい方,そしてこれから病院への導入を検討しているリーダーや管理者など,さまざまな方にそれぞれの立場で役立てていただける実践書です。
本書の執筆にあたり,多大なるご指導と監修を賜わりました金城雄太先生,塚本慶先生に,この場を借りて心より深謝申し上げます。
「患者さんも,看護師も,もう誰も困ってほしくない」。本書が皆さんと患者さんの笑顔につながる一冊となればと願っています。
2026年6月
増野 千江美
目次
1章 カテーテルの基礎知識と特徴
ミッドラインカテーテルとは
1 あらたな“中間の”カテーテル
2 ミッドラインカテーテルの特徴
ミッドラインカテーテルを詳しく知ろう
1 ミッドラインカテーテルはどのようなカテーテルか
2 ミッドラインカテーテルが注目されている理由
3 ミッドラインカテーテルを使用するメリット
VAD使用のための基礎知識
1 ミッドラインカテーテルを扱う前に理解しておきたいこと
2 PIVC,ミッドラインカテーテル,PICCの違い
3 VADの選択
特定行為看護師によるかかわりと考え方
1 特定行為看護師によるミッドラインカテーテル挿入の実践
2 医療現場にもたらす変化
2章 ミッドラインカテーテル挿入前の感染予防
ミッドラインカテーテルと感染リスク
マキシマムプリコーションとは何か
ベッドサイドでのカテーテル挿入と環境の整え方
感染を防ぐカテーテル挿入の準備
1 術者の準備
2 清潔野のつくり方
3 皮膚消毒で大切にすべき3要素
ミッドラインカテーテル専用清潔キット
3章 エコーによる血管の選択と判断
エコーを行うことで得られる情報
1 血管の選択に必要な評価(血管・神経の位置,浮腫)
2 穿刺する血管径とカテーテル径の比率
エコー画像の見え方と評価の実際
1 正常な血管のエコーの所見
2 すでに血栓化している血管(穿刺してはならない血管)
3 異常血管・静脈弁の存在に注意
エコーとベッドの配置,術者の位置
4章 ミッドラインカテーテル挿入の一連のプロセス
カテーテル挿入の実際
1 カテーテル挿入の実際の流れ
カテーテル挿入に向けての準備
清潔環境づくりの実際
血管穿刺とカテーテルの挿入
カテーテル挿入後
5章 ミッドラインカテーテルの基本的な管理
カテーテル留置中の観察ポイント
1 カテーテル挿入部と周囲の皮膚の観察
2 液漏れの観察
3 カテーテル挿入の長さと固定状態の確認
カテーテルの固定とドレッシング材の管理
1 カテーテルの固定方法
2 ドレッシング材の管理
カテーテルの感染予防管理
1 カテーテルの操作時の基本
2 点滴ルート管理
カテーテルの閉塞予防管理
1 パルシングフラッシュ
2 陽圧ロック
使用薬剤による静脈炎のリスク
1 浸透圧と静脈炎の関係
2 pHと静脈炎の関係
3 ミッドラインカテーテルと静脈炎のリスク
ミッドラインカテーテルとPICCの誤認防止
カテーテルからの採血方法
カテーテル抜去の時期の見極め
カテーテル抜去時の対応
1 計画的な抜去
2 意図しない抜去
6章 トラブル対応
カテーテル留置後の挿入部からの液漏れ
1 カテーテル挿入部からの液漏れの種類と要因
2 液漏れを認めたときの対応
カテーテル挿入部の血腫
静脈炎
血栓性閉塞
7章 患者の療養生活の支援
ミッドラインカテーテル挿入患者の療養生活
1 どのような患者がカテーテルを挿入しているか
2 カテーテル挿入中の注意点
入浴・シャワー時の注意点
1 カテーテルが濡れてしまうことによる感染リスク
2 保護の方法と工夫
3 湯船につかる際の注意点
着替えの際の注意点
1 衣類の選び方
2 着替えの手順
3 ミッドラインカテーテルの固定
ミッドラインカテーテル挿入中のリハビリテーション
動作制限と工夫
造影CT検査時の注意点
・用語解説
特定行為看護師として伝えたいこと
・ 患者の心理的な安楽
・ミッドラインカテーテルへの期待
・パッと見は同じ!? ミッドラインカテーテルとPICCの決定的な違い
・ 「リスクが低い」=「安全」 ではない
・ 迷ったら「不潔」と判断
・消毒効果を高める「事前の石けん洗浄」
・ 専用清潔キットの必要性
・ 血管選択の評価
・ エコーが広げる看護アセスメントの可能性
・ 自分の考えをわかりやすく説明できる力
・ カテーテル挿入後の観察のポイント
・ 毎日確認! カテーテル挿入の長さ
・カテーテルの取り扱い・交換時は必ず消毒を行う
・ 静脈炎の判断
・ 安全なカテーテル管理に向けて
・ 患者への入浴時の説明
・ 患者に安心して入浴してもらえるように
・ 患者の安全とセルフケア
・ 患者の活動性を維持する視点
・ カテーテルが挿入されている腕を身体の下にして寝てもよいですか?
・穿刺が難しいと考えられる血管
・血管内がもわっと白く見えるとき
・静脈弁には注意しよう
・ガイドワイヤーが進みにくいとき
・局所麻酔薬中毒に注意!
指導医からのアドバイス
・ 患者の心理的な安楽
・ミッドラインカテーテルへの期待
・パッと見は同じ!? ミッドラインカテーテルとPICCの決定的な違い
・ 「リスクが低い」=「安全」 ではない
・ 迷ったら「不潔」と判断
・消毒効果を高める「事前の石けん洗浄」
・ 専用清潔キットの必要性
・ 血管選択の評価
・ エコーが広げる看護アセスメントの可能性
・ 自分の考えをわかりやすく説明できる力
・ カテーテル挿入後の観察のポイント
・ 毎日確認! カテーテル挿入の長さ
・カテーテルの取り扱い・交換時は必ず消毒を行う
・ 静脈炎の判断
・ 安全なカテーテル管理に向けて
・ 患者への入浴時の説明
・ 患者に安心して入浴してもらえるように
・ 患者の安全とセルフケア
・ 患者の活動性を維持する視点
・ カテーテルが挿入されている腕を身体の下にして寝てもよいですか?
・穿刺が難しいと考えられる血管
・血管内がもわっと白く見えるとき
・静脈弁には注意しよう
・ガイドワイヤーが進みにくいとき
・局所麻酔薬中毒に注意!
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書籍情報
- ISBN:9784867191323
- ページ数:108頁
- 書籍発行日:2026年7月
- 電子版発売日:2026年7月14日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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