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- 保育所・認定こども園・幼稚園で働く人のための こどもの健康をはぐくむナビブック
商品情報
内容
日々の「どうしたらいいのかな?」に応える一冊
【本書の内容】
・毎日の保健・保育活動に役立つ,知識と実践のポイントをやさしく解説
・保育所の現場での“リアル”な実践例も多数掲載
・「こどもの健康支援で大事にしたい6つの視点」も紹介
こどもの命と健康を守る:安全
こどもが安らげる:安心
生活リズムを整える:生活
楽しく経験を積む:遊ぶ
こどもと保護者のケア力を高める:セルフケア
みんなで力を合わせる:多職種連携
・医療的ケアの必要なこどもの受け入れや日々のケア,イベント参加や家族支援について,第Ⅵ章にまとめています。
序文
編集にあたって
現在の日本は少子化や人口減少など,大人にとっては将来への不安が募る社会状況にあります。しかし,こどもたちは将来を見据えるというよりも,毎日に全力投球し,「今」を生きています。そのこどもたちが,未来に向かっていく心と体をはぐくむ環境を整えることは,こどもたちと過ごすすべての大人の責務です。
多くが共働き世帯である昨今,1~2歳ごろには約5割のこどもたちが保育所に入園しています1)。乳幼児は,心身ともに著しく成長・発達する時期です。免疫機能や身体の調整能力は十分には備わっていないこと,また,危険を予測したり,避けたりする力も習得途中です。保育所等におけるこどもの健康観察や環境の確認,発達に応じた日常生活援助など,すぐに成果がみえる実践ではありませんが,日々のそれらの積み重ねこそがこどもの命と健康を守り,未来へとはぐくみます。
保育所等は,こどもが家族から離れて生活する初めての場所になることが多く,その場所がこどもにとって,安心でき,心地よいことは広がる社会への信頼につながります。新たな場所への信頼をもつことで,こどもたちは知らないことを探索したり,挑戦をすることができます。障害や病気の有無にかかわらず,すべてのこどもたちが心も体もその子なりに健康で挑戦できる素地を築くため,本書では,必要な知識や技術のみならず,日々現場で実直にケアを行ってきている看護職の「暗黙知」の数々を丁寧に紡いでいます。
児童福祉法において,保育所の対象はかつて「保育に欠ける乳児・幼児」と示されていましたが,2015年の子ども・子育て支援新制度の開始に伴い「保育を必要とする乳児・幼児」へと変更されました。これは,福祉的な支援だけでなく,共働き世帯が増えている現代社会において,一般的な子育て支援サービスとしての認識が高まったことが背景にあります。また,2016年の児童福祉法の改正や2021年の医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(医療的ケア児支援法)の施行に伴い,障害や病気,医療的ケアが必要なこどもたちが保育所等で保育・教育を受けられるよう支援することが国や地方自治体の責務となりました。それらにより,多様なニーズをもつこどもが保育所等にさらに入園できるようになり,医療・保健の専門職である看護職が保育所等で果たす役割への期待が一層高まっています。
保育所等における看護職の配置について初めて言及されたのは,低月齢の保育ニーズが高まりはじめた1969年のことです。厚生省児童家庭局長通達で,乳児が入園する保育所に,保育士以外の看護師を置くこととされ,1977年に児童福祉施設最低基準(現:児童福祉施設の設備及び運営に関する基準)に明示されました。その後,低月齢の保育の一般化に伴い,1998年に乳児保育指定保育所制度が廃止され,現在は“ 0歳児の在籍の有無にかかわらず看護職を1名まで保育士とみなせる”と言及されているにとどまります。このように,約60年前から保育所等の看護職の配置の必要性が認識されていますが,いまだ明確な全国的な配置の基準はなく,自治体によって状況が異なる現状です。保育所等で働く看護師や養護教諭向けの教育カリキュラムはなく,基礎教育でも学ぶ機会はほとんどありません。これまで保育所等の看護職は,相談できる人も少ない環境で,自助努力で学びつづけ,こどもたちの命と健康を守ることに奮闘してきました。
本書では,これまで奮闘してきた保育所等看護職の実践にある考え方を言語化し,現場での保健活動がより質の高い実践として広がるよう,具体的な例などを交えて示しています。
構成にあたっては,保育所等看護職のための学習支援を研究してきた際に,明らかになった保育所等での看護実践を構成する4つの力2)を軸としています。
❶ こどもの健康を支援する力
❷ こどもの権利を擁護する力
❸ 組織の役割を協働して遂行する力
❹ 自己を教育・研鑽する力
4つの力を備えたうえで,それぞれの地域や施設の状況,対象とするこどもや家族のニーズをふまえ,保育所等における保健・看護はそれぞれが創造していくことが求められています。施設の中で一人職,あるいは少ない職種として悩む看護職の方や,多様な健康ニーズへの対応に不安を抱く保育職の方にとって,本書が道標となり,日々の実践の支え,自信へとつながることを願っています。
医療的ケア児の入園に伴い,保育の現場で働く看護職の数は年々増加しています。
社会のニーズの変化とともに,保育所等の役割もまた,常に変化していきます。こどもたちの「今」と「未来」を見据え,保育所等で乳幼児の健康を支援する人たちが,「こんなときにどうしたらよいのか? 」という疑問や不安にぶつかったときに,本書を手に取っていただけたら幸いです。
最後に,ご執筆をいただきました保育所等での実践や教育,連携を積み重ねてきた看護師の皆さま,へるす出版の編集部の皆さまに感謝申し上げます。
文献
1)こども家庭庁:保育所等関連状況取りまとめ(令和7年4月1日).2025.https://www.cfa.go.jp/policies/hoiku/torimatome/r7
2)子どもの健康を支える保育所看護職の能力向上のための学習プログラム開発,学術研究助成基金助成金18K10456,成果物「保育所等で働く看護職の看護実践:キャリア形成に向けたガイドブック」,2022.https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-18K10456/18K10456seika.pdf
2026年6月
鈴木千琴
仁宮真紀
目次
保育所の一年ではぐくむこどもの健康
Ⅰ章 はじめに
1 乳幼児の集団生活における健康支援・発達支援
2 保育所等におけるこどもの健康支援で大事にしたい6つのこと
Ⅱ章 こどもの健康を支援する力
こどもを知る
1 こどもとのコミュニケーション
2 こどもの発達の理解
3 健康状態の把握
日常生活を援助する
1 こどもの基本的生活習慣
2 こどもと食事
3 こどもと排泄
4 こどもと睡眠
体調不良やけがへの対応
1 「あれおかしい?」に気づく
2 体調不良時の対応
3 けがへの対応
家族とともに行う子育て
1 家庭との生活をつなぐ支援
2 保護者との対話
3 養育環境を守る
病気や障害のあるこどもを支援する
1 アレルギーのあるこども
2 慢性疾患のあるこども
3 発達の気になるこども
4 個別指導計画
安全な環境をつくる:リスクマネジメント
1 感染症対策
2 事故予防と安全対策
3 防災・災害対策
Ⅲ章 こどもの権利を擁護する力
1 こどもの権利
2 保育所での倫理課題~もやもやすることを考えてみよう~
A 「みんなと一緒に遊びたい!」こどもの遊びの環境になじまない医療的ケアの実施
B 「赤ちゃんなんていらない!」「ママとパパといたい」きょうだいが生まれるこどもたちの不安に向き合う
C 「朝ごはん食べられない,おなかすいた」こども,家族,保育所の生活リズムが合わない!
D 「こども同士のキスってかわいい」でほんとうにいいの?
E 「遊んでてもかゆくて楽しくない」こどものケアは家族が担うべき?
Ⅳ章 組織の役割を協働して遂行する力
1 保育所等の組織を理解する
2 保健計画をもとにした保健活動
3 地域のなかでこどもをはぐくむ
Ⅴ章 自己を教育・研鑽する力
1 自己成長を支える
2 仲間と共に学ぶ
Ⅵ章 医療的ケア児へのかかわり
1 医療的ケア児の受け入れ
2 医療的ケア児の健康支援
3 イベントへの参加
4 多機関・多職種による連携と支援
5 家族の挑戦を支える
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書籍情報
- ISBN:9784867191316
- ページ数:232頁
- 書籍発行日:2026年7月
- 電子版発売日:2026年7月14日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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