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- 小児看護2026年8月号(49巻8号)新モデル・コア・カリキュラムが導く小児看護教育の変革;臨床と教育が共に育てるためのヒント
商品情報
内容
「看護学教育モデル・コア・カリキュラム(令和6年度改訂版)」の公表では、「学生が何をできるようになるか」を重視する「コンピテンシー基盤型教育」への転換が示された。本特集では、この新カリキュラムに基づいた小児看護学領域における評価方法やマイルストンの設定方法、新カリキュラムを具現化するための講義、演習、臨地実習などを紹介する。学生が主体的に考え、行動レベルで学ぶため、臨床と教育が看護職を「共に育てる」ことを目指した1冊。
序文
特集にあたって
「看護学教育モデル・コア・カリキュラム(令和6年度改訂版)」(以下,新コアカリ)が公表され,わが国の看護実践能力の育成は,従来の教育内容重視の枠組みから「学生が何をできるようになるか」を重視するコンピテンシー基盤型教育(competency-based education;CBE)へと大きく舵を切りました。この転換は,大学や養成所での基礎教育のみならず,臨床のクリニカルラダー,そして生涯学習へと連なる一貫したストリームを形成する強固な基盤となります。
とりわけ小児看護の領域は,こども基本法の施行やこども家庭庁の発足といった社会の大きな変革期にあります。医療的ケア児の増加やヤングケアラー,多様化する家族課題など,私たちが向き合う対象の背景は複雑さを増しており,病院の病棟内にとどまらず,外来や在宅,学校,地域包括ケアシステムといった「生活の場」全体を視野に入れた包括的な支援が求められています。新コアカリは,こうした現代の社会課題や,医療・福祉・教育などの枠組みを越えた多職種・多機関連携能力を明確に内包し,小児看護学教育の可能性を大きく広げるものとなっています。
この新たな教育の枠組みを現場で機能させるためには,これまでの教育実践を基盤としながらも,学生が主体的に考え,行動レベルで学べるよう伴走する役割が,教員と臨床の双方に期待されます。教育と臨床がそれぞれの専門性を生かしながら,手を取り合って学生の導き方をアップデートしていくことが,今まさに求められているのです。
そこで本特集では,新コアカリが導く変革の要諦を紐解くとともに,臨床と教育が共に育てるための具体的なヒントを,全6部・15項目の多角的なアプローチから提示いたしました。
まず【カラーグラフ】では,橋本侑美先生にICTと高機能シミュレータを活用した小児看護学教育の今を視覚的にご紹介いただき,続く【改訂のポイントと小児看護学へのインパクト】のセクションでは,筆者による新コアカリの要諦の解説に続き,西田志穗先生にこどもの権利やアドボカシー,多職種連携の具現化について,西村礼子先生にはコンピテンシー基盤型教育における評価の考え方と方法について論じていただきました。
さらに【学修成果of再構築】として,市原真穂先生らに卒業時目標から逆向きに設計するマイルストンを,金丸友先生らには基礎科目から小児看護学への積み上げを図るカリキュラム・マネジメントのあり方をご提示いただいております。
これらを踏まえた【新カリキュラムを具現化する教育デザイン】の「講義・演習編」では,平林優子先生によるこどもの主体性を尊重する看護展開への試み,橋本侑美先生による入院生活の疑似体験を基盤とした臨床判断能力の育成,髙山充先生によるVRシミュレーションの有用性と限界についての報告が集まりました。また「臨地実習編」では,西垣佳織先生らに小児外来実習における学習内容を,天野里奈先生に児童発達支援事業所での実習効果をご報告いただくとともに,大島誠先生には臨床の立場から臨地実習にあたって取り組むべきことをご提言いただいております。
終盤には,大学と現場のギャップを埋めるための【座談会】のほか,【すぐに使える活用ツール】として西田みゆき先生による教育用語の解説,藤田優一先生による「実習振り返りチェックリスト」も掲載しております。
本特集が,教育の場と臨床の現場が「卒業時の到達目標」という共通言語を携え,これからの時代を生きるこどもたちにかかわる看護職を「共に育てる」ための一助となれば幸いです。
荒木暁子Araki Akiko
日本小児看護学会小児看護政策委員,東邦大学看護学部看護学科小児看護学研究室教授,同学部学部長
目次
特集 新モデル・コア・カリキュラムが導く小児看護教育の変革 臨床と教育が共に育てるためのヒント
【カラーグラフ】
視覚でとらえる小児看護教育の今: ICT と高機能シミュレータの活用
橋本侑美
【特集にあたって】
学生が何をできるようになるかを重視する教育を目指して
荒木暁子
【改訂のポイントと小児看護学へのインパクト】
①「看護学教育モデル・コア・カリキュラム (令和6年度改訂版)」の要諦:
コンピテンシー基盤型教育に向けた教学マネジメントと新たな評価指標
荒木暁子
②コンピテンシー基盤型教育でとらえ直す小児看護の学び方・教え方:
こどもの権利、アドボカシー、多職種・多機関連携の具現化
西田志穂
③コンピテンシー基盤型教育における評価の考え方と方法: 「看護学教育モデル・
コア・カリキュラム (令和6年度改訂版)」に基づく小児看護教育での評価の展望
西村礼子
【小児看護学における「学修成果」の再構築】
①卒業時目標から逆向きに設計する小児看護教育のマイルストン
市原真穂,他
②コンピテンシーを基盤としたカリキュラム・マネジメント: 基礎科目から小児
看護学への積み上げをどう設計するか
金丸 友,他
【新カリキュラムを具現化する教育デザイン:講義・演習編】
①こどもの主体性を尊重する看護過程の展開に向けた学修の積み重ねと
演習への試み
平林優子
②ICT とシミュレーションを統合した小児看護学教育の実践:入院生活の
疑似体験を基盤とした臨床判断能力の育成
橋本侑美
③小児看護学学習におけるVRシミュレーションの有用性と限界:仮想環境の
制約を補完するファシリテーションの役割
高山充
【新カリキュラムを具現化する教育デザイン: 臨地実習編】
①小児外来実習の教育デザイン: コンセプトと臨床判断を用いた教育実践から
新カリキュラムを考える
西垣佳織,他
②児童発達支援事業所における実習の取り組みとその効果
天野里奈
③臨地実習にあたって臨床側が取り組むべき具体的アプローチと連携・評価
大島誠
【座談会】
新コアカリを活用した臨地実習・新人教育のつながり: 卒業時にこれだけは身に
つけてほしい力~大学と現場のギャップを埋める〜 荒木暁子,他
【すぐに使える活用ツール】
①臨床指導者が知っておきたい教育用語
西田みゆき
②「看護学教育モデル・コア・カリキュラム (令和6年度改訂版)」に対応した小児
看護学実習振り返りチェックリストの作成と活用
藤田優一
連載
・心が歌えば、世界が揺れる (59)
星を見に行く
佐藤聡美
・むかしといまを繋ぐ知恵:故事・ことわざ・名言をたずねて (49)
紺屋の日袴:紺屋が自分の袴を染めないでいるように、人のことで忙しく自分のことには手が回らない
磯崎三喜年
・あまの橋架け: 病院にかかわるみんなのコミュニケーション (44)
日本に暮らす外国人にも安心の医療を
阿真京子
・医law 医 law な関係 (157)
小児科医らによるSNS投稿の名誉毀損該当性
木村佳生
・ひとりごとスケッチ (117)
夾竹桃の花
土田菜摘
・かれいどすこーぷ (161)
令和のオイルショック
小鳥遊遊鳥
・看護系絵本堂 (161)
なまけてなんかない!!ディスレクシアの男の子のはなし
谷口あけみ
・「論争中の病」を抱える青年を支えること:筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群をめぐって⑩
ME/CFS を抱える子どもに対する教育をどう保障するか 海外の指針に学ぶ教育的配慮の原則
中島伸子
・エフェクチュエーションで人生をドライブ!:看護師が楽しむ未来のつくり方⑩
実践編:「もう限界かもしれない」と感じたとき~看護師自身の「手中の鳥」を数え直す~
角田ますみ
次号予告,編集後記
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書籍情報
- ISBN:9784012204908
- ページ数:128頁
- 書籍発行日:2026年8月
- 電子版発売日:2026年7月23日
- 判:AB判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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