エビデンスに基づくネフローゼ症候群診療ガイドライン2026

  • ページ数 : 128頁
  • 書籍発行日 : 2026年9月
  • 電子版発売日 : 2026年10月15日
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序文

序文

本ガイドラインは,令和5~7年度厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)「難治性腎障害に関する調査研究」(猪阪善隆班長)の診療ガイドライン作成分科会(岡田浩一分科会長)により作成されたものである.

わが国ではIgA腎症,ネフローゼ症候群,急速進行性腎炎症候群および多発性囊胞腎の4疾患の診療指針がまとまったものとしては,平成20~22年度,厚生労働省科学研究費補助金「進行性腎障害に関する調査研究」(松尾清一班長)で最初に作成され,平成23年に公表されている.ここではエビデンスを考慮しつつ専門医のコンセンサスに基づいた診療指針として作成された.その後,平成23~25年度「進行性腎障害に関する調査研究」(松尾清一班長)では,腎臓専門医に標準的医療を伝え診療を支援するため,ガイドライン作成基準に則って4疾患のエビデンスに基づく診療ガイドライン2014が作成された(木村健二郎診療ガイドライン作成分科会長).アンド平成29~31年(令和元年)度「進行性腎障害に関する調査研究」(成田一衛班長)では,より厳格な診療ガイドライン作成手順に則り,最新のエビデンスを盛り込み,また医師以外の医療者や患者側からの意見も取り入れた改訂版(エビデンスに基づく診療ガイドライン2020)が作成された(岡田浩一診療ガイドライン作成分科会長).

今回の各診療ガイドラインは約6年ぶりに発表する全面改訂版であり,内容を客観的に見直すことを意図して各疾患の担当者を変更し,また最新のエビデンスとともに本研究班の疫学分科会によって見出された新たな疫学データも取り入れ,さらに腎臓専門医を対象としたアンケート結果より明らかとなったエビデンス‒プラクティスギャップを最小化することを意図して作成された.

本診療ガイドラインは,主に腎臓専門医が利用することを想定して作成されたが,これらの腎疾患を診療する機会があるすべての医師の診療に貢献するものと考える.作成にご協力頂いた皆様に深く感謝するとともに,本診療ガイドラインが日常の臨床に広く活用されることにより,わが国の腎疾患診療のレベルが向上し,それぞれの患者の予後とQOLが改善されることを願っている.


令和8年8月

厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業) 難治性腎障害に関する調査研究 研究代表 猪阪善隆 診療ガイドライン作成分科会
分科会長 岡田浩一

目次

Ⅰ 総論 

1 疾患概念・定義(診断基準・治療効果判定基準)

2 構成疾患とその分類

3 疫学

  1)発生率・有病割合

  2)年齢別の割合

  3)寛解率・再発率

  4)腎予後・生命予後

  5)合併症発生率

4 病態生理

  1)蛋白尿

  2)低アルブミン血症・低蛋白血症

  3)浮腫

  4)腎機能低下(慢性腎臓病,急性腎障害)

  5)脂質異常症

  6)凝固線溶系異常(凝固亢進状態,動静脈血栓症)

  7)免疫異常症,感染症

5 診断総論

  1)症候学・臨床症状

  2)検査所見

  3)腎生検

  4)遺伝学的検査

  5)遺伝学的検査の適応と解析方法

6 治療総論

  1)食事療法

  2)生活指導

  3)支持療法

  4)グルココルチコイド

  5)グルココルチコイド(ステロイド)療法の副作用とその対策

  6)免疫抑制療法

  7)難治性ネフローゼ症候群に対するそのほかの治療

Ⅱ 微小変化型ネフローゼ症候群 

1 総論(病態・臨床症候・疫学)

  1)病態・病因

  2)臨床症候

  3)疫学(発生率・有病割合)

2 診断

  1)診断総論/病理学的診断

  2)抗ネフリン抗体

3 治療アルゴリズム

4 治療

  1)初期治療

  2)再発例

  3)頻回再発例,ステロイド依存例,ステロイド抵抗例

  CQ1 成人の微小変化型ネフローゼ症候群の再発患者において,推奨される治療は何か?

  4)CQ1

  Practice Point Ⅱ‒1 成人の微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)の再発患者において,ミコフェノール酸モフェチル(MMF)の投与は推奨されるか?

5 予後(寛解率・再発率,腎予後・生命予後)

  1)寛解率・再発率

  2)腎予後・生命予後

Ⅲ 巣状分節性糸球体硬化症 

1 総論(病態・臨床症候・疫学)

  1)疾患概念

  2)病因

  3)疫学

  4)症候

2 診断

  1)診断総論

  2)病理学的診断

  3)抗ネフリン抗体

  Practice Point Ⅲ‒1 成人のネフローゼを呈する巣状分節性糸球体硬化症でステロイド抵抗性の経過をとる場合,遺伝学的検査は推奨されるか?

3 治療アルゴリズム

4 治療

  1)初期治療

  2)再発例

  3)頻回再発例,ステロイド依存例

  4)ステロイド抵抗例

  CQ2 成人の巣状分節性糸球体硬化症でステロイド抵抗性の患者において,推奨される治療は何か?

  5)CQ2

  Practice Point Ⅲ‒2 成人の一次性巣状分節性糸球体硬化症に推奨される補助療法・支持療法は何か?

  Practice Point Ⅲ‒3 成人の一次性巣状分節性糸球体硬化症でステロイド抵抗性の患者において,アフェレシス療法は有用か?

  Practice Point Ⅲ‒4 成人の巣状分節性糸球体硬化症でステロイド抵抗性の患者において,リツキシマブは有効か?

5 予後

  1)寛解率

  2)再発率

  3)腎予後

  4)生命予後

Ⅳ 膜性腎症 

1 総論(病態・臨床症候・疫学)

  1)概念

  2)病因

  3)疫学

  4)症候

2 診断

  1)診断総論

  2)病理学的診断

  Practice Point Ⅳ‒1 成人のネフローゼ症候群における一次性膜性腎症の診断に抗PLA2R抗体の測定は推奨されるか?

3 治療アルゴリズム

4 治療

  1)治療総論

  2)初期治療

  3)治療抵抗例への対応

  CQ3 成人のネフローゼ症候群を呈する一次性膜性腎症に推奨される治療は何か?

  4)CQ3

5 予後

Ⅴ 膜性増殖性糸球体腎炎とC3腎症 

  1)概念

  2)疫学

  3)症候

  4)病理

  5)C3腎症:病態を考慮した疾患概念

  6)治療

  7)医療費助成(指定難病)

Ⅵ 高齢者のネフローゼ症候群に関する診療総論 

1 診断

  1)原疾患の構成比に特徴がある

  2)悪性腫瘍やほかの全身疾患を背景にネフローゼ症候群が発症する症例に注意を要する

  3)腎生検は高齢者においても診断や治療判断に重要な情報をもたらしうる

  4)尿蛋白の評価のための1日蓄尿が困難であれば随時尿の尿蛋白・Cr比を使用する

2 治療

  1)総論

  2)微小変化型ネフローゼ症候群

  3)巣状分節性糸球体硬化症

  4)膜性腎症

3 合併症

  1)疾患に関連した合併症

  2)治療に関連した合併症

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書籍情報

  • ISBN:9784885637537
  • ページ数:128頁
  • 書籍発行日:2026年9月
  • 電子版発売日:2026年10月15日
  • 判:A4変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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